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新潟 知っておきたい原子力 設備面の安全対策

  • 2023年03月12日

シリーズ「知っておきたい原子力」。今回は東京電力・福島第一原発事故のあと、柏崎刈羽原子力発電所で取られた安全対策についてお伝えします。

福島第一原発事故では津波によって原子炉の冷却機能が失われ、核燃料が溶ける「メルトダウン」が発生しました。この事態を教訓に東京電力は柏崎刈羽原子力発電所でさまざまな安全対策を進めているとしています。

防潮堤や水を防ぐ扉

柏崎刈羽原発では津波の高さを最大8.3メートルと推定し、海抜15メートルの防潮堤を建設したほか、非常用電源をはじめとした重要な設備が水につからないよう、厚さ16~22センチの金属製の扉が設置されています。

電気と水の確保

また、発電所構内の海抜35メートルの高台に合わせて20台の電源車などを配備しています。

それでも電源が失われる事態に備え、原子炉圧力容器から発生する蒸気を使ってポンプを動かし原子炉に水を送り込む設備や、約2万トンの水を蓄える貯水池を設けました。

「万が一」への備えも

事故の状況が悪化した場合、原子炉を覆う格納容器が内部の圧力で壊れないよう放射性物質を含む気体を外に放出する「ベント」という操作が行われますが、東京電力は「フィルターベント」と呼ばれる排気設備によって放射性物質の放出量を大きく抑制できるとしています。

また、原子炉の冷却に欠かせない「残留熱除去系」と呼ばれる設備の一部が使えなくなった場合を想定し、特殊な車両を使って格納容器内部の圧力や温度の上昇を抑えるシステムも取り入れたとしています。
東京電力はこうした安全対策に1兆円を超える費用を投じたとしています。 

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