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新潟 就活解禁 人手不足で売り手市場 初任給引き上げも

県内の就職率は再び減少 情報発信が課題
  • 2023年03月01日

来春=2024年春に卒業する大学生などの就職活動が3月1日に本格的にスタートしました。
新型コロナ禍にあっても企業の採用意欲は高く「売り手市場」と言えそうです。
一方、上昇傾向にあった県内への就職率は再び減少に転じてしまい、若者の県外流出を避ける上でも魅力ある職場や生活環境をアピールしていく必要がありそうです。
(新潟放送局 野口恭平 記者)

就活本格スタート!売り手市場

来春卒業する大学生などを対象とした企業の説明会は政府が決めたルールに沿って3月1日にスタートしました。

県内でも、新潟市中央区の朱鷺メッセで就職情報サイトが主催する合同説明会が約200社が参加して開かれました。会場は多くの学生でにぎわっていました。

合同説明会を開いた就職情報サイト「マイナビ」が全国の企業を対象に2月に行った調査によりますと、来春に卒業する大学生の採用人数を「増やす」と答えた企業の割合は文系、理系ともに上昇し▽文系が前の年より8ポイント余り高い27.7%、▽理系が前の年より7ポイント近く高い29.8%となっています。

「売り手市場」とも言える中、会場では企業ごとのブースが設けられ、採用担当者が採用活動のスケジュールに加え、業務内容、勤務制度、それぞれの強みなどをアピールし学生たちもメモを取りながら熱心に話を聞いていました。

参加した企業の担当者は?

参加した企業の担当者に話を聞いてみました。

大光銀行担当者

他の企業も採用活動を活発化させていて「売り手市場」という印象も受けています。地域に密着してお客様に親しまれる銀行を目指しているので、頑張っている地域の企業のために力になりたいという学生は積極的に応募してもらえるとありがたいです。

北陸ガス
担当者

エネルギー会社で新潟の方の生活や産業の基盤を支えるのが仕事の魅力なので伝えていきたい。人口が流出すると当社も影響を大きく受けるので当社に限らず新潟県で働く、生活することのよさも伝えたいです。

雪国まいたけ
担当者

長野県出身で入社1年目です。祖母が新潟県で1人で生活していたことや食品を通じて健康に貢献していることに魅力を感じて就職しました。私の就職活動時代は新型コロナでこのような合同説明会がなく分からないことも多いですが、グローバルの事業戦略などを伝えたいです。

新潟運輸
担当者

物流業界も2024年問題※という話がある中でフレッシュな考えで業界を支え、変えていける人材に期待しています。物流の企業は怖いというイメージが学生にはありますが、アットホームで人と人との連携でビジネスを生み出しているところを伝えていきたいです。(※2024年4月からトラックドライバーへの時間外労働の規制が強化され人手不足の深刻化や輸送量の減少が懸念されている)

また、物価の高騰が続く中、春闘の「賃上げ」が注目を集めていますが、取材したまいたけのメーカーは2023年4月入社の社員の初任給を8000円引き上げたほか、2024年4月入社の社員についてもさらなる引き上げを検討しているということで、待遇面でアピールしようという様子もうかがえました。

参加した学生らの声は?

専門学校の1年生

専門学校の1年生
専門学校で絵を学んでいます。就職はまだ何もしていなかったので面接とか自己PRとかセミナーに参加できればと思って来ました。学校で勉強してることを生かせる出版社に関心があります。週2日の休みは欲しいなと思います。条件は高くしないようにして探してみたいです。

県内の大学3年生

県内の大学3年生
大学では経営学を学びました。主に金融業に関心があります。働きやすくて福利厚生がいいとか休みが多い会社も関心があります。地元にすぐ行けたり家族にも会えるし県内での就職を検討しています。

秋田県の大学に通う3年生
新潟県出身ですが秋田県の大学で農業を学んでいます。飼料会社や牧場、食品関連の会社を検討しています。親は新潟県に就職して欲しいと言っていますが、あまり私はそういう意識はなく、希望する会社がある地域で働きたいと思っています。

県内就職率は再び減少 初任給の改善も課題

県内の大卒者の就職状況についてもう一歩深く知りたいと、新潟労働局にも取材してみました。ここからは今回就職がスタートした世代の「1つ先輩」にあたる今春就職予定者のデータを見てみます。

新潟労働局より

こちらは県内の大学などの今春卒業者の内定率です(2022年12月現在)。

「79.5%」と新型コロナ禍の前より低下していますが、企業の求人数と同時に大卒などの求職者の数も増えているため大きく悪化している、というわけではないそうです。

一方注目したいのはこちら。

新潟労働局より

内定者のうち県内に就職する割合を示しています。

新型コロナ禍前は年々数字が低下し、県内への就職割合が減って県外の大都市などに就職する人が増えていました。

それが、令和3年3月卒は新型コロナの影響で地元志向が高まったことなどにより県内就職率が反転し上昇。人口流出に悩む新潟県にとっては朗報でした。

一方、今春卒業者については54.2%と再び減少してしまいました。

これについて新潟労働局の担当者は「新型コロナの感染が落ち着いたことで再び東京など県外へ就職するムードが高まっているのかもしれない。こうした傾向は来年春の卒業者も続くのではないか」と話していました。

さらに気になる数字もあります。

労働局が調べた大卒者の初任給、新潟県の平均は「21万円」で全国平均の「22万2000円」を下回っています。

労働局では県や学校と連携して、学生に対する企業情報の発信を強化したり、企業が説明会で自社の魅力を伝えていけるよう支援を進めていくとしています。

新潟県にはさまざまな魅力をもった企業が多くあります。効果的に情報を伝えたり、勤務環境を整備していくこと、中長期的には初任給など賃金の改善にも取り組むことで人材の確保が進んでいって欲しいと思います。

  • 野口恭平

    新潟放送局 記者

    野口恭平

    2008年入局 徳島放送局、報道局経済部を経て新潟放送局へ。幼いころから南魚沼市で年末年始を過ごす。現在は経済を担当。

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