『上中下越に佐渡(さぁ~ど~)ぞ!』新潟市南区
- 2023年02月28日
新潟市南区
新潟県の37市区町村の魅力をお届けする「上中下越に佐渡(さぁ~ど~)ぞ!」。第35回は果物の栽培が盛んな新潟市南区です。日本のル・レクチエ発祥の地と言われています。春にはいちご狩りもできます。旧笹川家住宅は日本有数の庄屋の屋敷で国の重要文化財に指定されています。そして、なんといっても毎年6月に行われる白根(しろね)大凧合戦が有名です。
白根大凧合戦
今回は「しろね大凧と歴史の館」にお邪魔しました。頭上にはカラフルな凧が飾られています。鯛や歌舞伎の役者、蝶などいろんな絵が描かれていますね。大凧合戦は東西あわせて13の組があり、それぞれの組で絵が異なります。
300年の歴史 勇壮な合戦絵巻
白根大凧合戦は江戸時代中ごろが始まりとされ、信濃川の支流 中ノ口川をはさんで東軍・西軍がそれぞれ大凧を揚げ戦います。大凧を空中でからませて、相手の綱が切れるまで引き合う大迫力のお祭りです。勝負の決め手は、凧の揚げ方の技術、チームワーク、そして祭りの1年前から準備を始める凧の出来具合にかかっています。
博物館のホールには実物大の凧が飾られています。大きさは何と畳24畳!重さは50キロにもなるんだそうです。初めて見た時、「こんな大きな凧みたことない! ちゃんと空に揚がる?」と疑ってしまうくらいの大きさで衝撃をうけました。この凧で引き合う6月の合戦、実際に見てみたいですね。
勝負を決める綱
大凧合戦まで3か月余り。この日も凧の制作が行われていました。凧を引く綱は麻を使って全て手作りします。麻をほぐしてから数本の束にします。そして、少しずつ綱に加えて編んでいきます。最終的に150メートルの長さまで編んでいくんです。
五郎組 高橋昌幸さん
(綱を強くするコツは何ですか?)
均等に強くひねることですかね。一ひねり一ひねり「勝負に勝つため」と思って、みんなで作ったものが揚がる楽しみのために編んでいます。
これまで凧の綱がそれほど重要だと思っていませんでした。でもそれはとんでもない間違い。実際の合戦では相手の綱を切ることが重要なため、ここにこそ、各組のこだわりが詰まっていたんです。
大迫力の絵柄
凧の下絵を描く作業も行われていました。描いているのはもちろん弁慶。墨を使って力強く描いていきます。
弁慶組会長 蜜田真也さん
(どんなところを意識して描いていますか?)
空に揚がった時に迫力があるように、筆で太く、強く、描いています。特に目が小さいと迫力がなくなるので目を意識しています。白根大凧合戦は日本だけでなく世界に誇れる素晴らしい伝統行事だと思っています。
館長 笠井正信さん
(白根大凧合戦の魅力を広く伝える活動にも力を入れています。どんな思いで?)
青森のねぶた祭り、岸和田だんじり祭りのように全国的に有名になってほしいです。観光客の方も参加できるので、是非、みなさんも凧を引っ張っぱりに来てください。待っています!
ところで、この「しろね大凧と歴史の館」には大凧の展示や大凧合戦の動画が見られるコーナーのほか、日本各地にとどまらず世界の珍しい凧の展示コーナーもあります。なかなか見応えありますよ。
迫力ある伝統文化が息づく南区に、みなさんもさあどうぞ!