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にいがたWEBリポート

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わたしの原点

新潟局アナウンサー 狩野史長
  • 2023年03月14日

私を変えた震災
私の原点は「東日本大震災」です。
初任地の青森局時代、仕事にも慣れ始めてきた4年目の雪残る3月。
突然今までに経験したことのないような大きな揺れに襲われました。
一瞬にして局内全ての電気が消え、非常灯が点灯。薄暗い局内に怒号が飛び交い、一気に緊張感が高まりました。
私は上司からの指示で中継車に飛び乗りました。
情報が入らず、今何が起こっているのか全く分からないまま、とにかく南へ、青森市内から中継車を走らせました。
普段なら2時間で到着する八戸市についたのは、地震発生から6時間後のこと。
避難所となっていた八戸市の中学校には1500人ほどの避難者が身を寄せていました。
あたりは真っ暗、懐中電灯やろうそくの明かりが点々と灯るだけです。
到着後すぐにニュースウォッチ9の中継を担当しましたが、手元のモニターに映るスタジオがいつも以上に明るく見えたのを今でも時々思い出します。
当時の私にとっては、この明かりが希望の光に見えたのかもしれません。

それから連日八戸で取材を続け、中継、リポートを毎日制作し、被災地の状況を伝え続けました。
変わり果てたよく知る風景、被災した方の怒りや悔しさ、支え合う地域の力、様々な被災地の姿を見て、聞いて、感じる中で、災害報道とは何かを強く考えるようになりました。

防災・減災を第一に
その後も様々な災害や被災地を取材しました。
熊本地震、鳥取県中部地震、大阪府北部地震、2018年の西日本豪雨や台風21号、2019年の東日本台風や房総半島台風。
それらの災害報道に携わる中で、防災・減災と本気で向き合う多くの地域の方たちと出会い、皆さんから防災・減災の大切さを学ばせていただき、私自身防災・減災情報を伝える必要性を強く実感してきました。

新潟市で行った防災講義

東日本大震災という未曽有の大災害の経験から始まった私の協会人生。
それは地域の皆さんと連携して日頃から防災・減災情報を発信し続けるという今のライフワークの原点となっています。

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