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節電要請開始 3%の削減どう対応? 電力各社は還元策

  • 2022年12月01日

冬の節電要請が12月1日から始まりました。電力各社では3%の節電に対する還元キャンペーンを実施しています。電気料金が高騰する中、どうすれば消費電力を減らせるのかー。ポイントは暖房器具の使い方にあり、細かな工夫も積み重なれば大きくなります。家電量販店などを取材しました。(新潟放送局 野口恭平 記者)

「無理のない範囲で」冬の節電要請

東北電力によりますと、東北6県と新潟県ではこの10年で最も厳しい寒さになると想定した場合、電力供給の余力を示す「予備率」は▼来年1月が4.1%▼2月が4.9%と見込まれています。

安定供給に最低限必要な3%は上回っていますが全国で東京電力管内と並んで予備率は最も低く、想定以上の冷え込みで暖房需要が急増する場合は需給がひっ迫するおそれもあるということです。

このため、政府は12月1日から2023年3月末までの4か月間、全国の家庭や企業を対象に節電への協力を呼びかけます。冬の節電要請は7年ぶりです。

政府と東北電力は室内で重ね着をしたり暖房器具の設定温度を下げたりして、日常生活に無理のない範囲で節電するよう呼びかけています。

各社キャンペーン 企業は20万円・一般家庭向けも

節電要請にあわせて、東北電力では国の補助事業を活用して一般家庭向けに12月から2023年3月まで節電キャンペーンを実施しています。

東北電力 低圧向け還元策(一般家庭など)

①キャンペーンに申し込むと、まず独自のポイントを2000ポイント。

②1月から3月にかけて月間の電気使用量を前年同月比3%以上減らした場合1000ポイント、等

東北電力 高圧・特別高圧向け還元策(法人など)

申し込みめば1法人につき20万円分が電気料金から割引になります。
さらに、月間の電気使用量を前年同月比3%以上減らした場合、1kWhあたり6円、
それに加え月2万円分のキャッシュバック、等

東北電力は「電気料金の値上がりでお客様にご負担をおかけしていますがキャンペーンで負担を軽減しつつ節電に協力していただきたい」と話しています。

節電につながる家電の選び方、使い方は?

家庭で節電に取り組む場合、どのように対応すればいいのか。
新潟市中央区にある大手家電量販店で生活家電の担当者に話を聞きました。

冬場で特に消費電力が多いのは、やはり暖房器具です。

家電量販店によると、細かく温度調節ができない電気ストーブは電気を多く消費します。一方、エアコンの場合、部屋を暖め始めた直後は電気を多く使うものの、ある程度部屋が暖まると消費電力を抑えて稼働するため節電効果が高いといいます。

その上で、足もとを暖めたい場合は例えば折りたたみ式のパネルヒーターを使います。
こちらの電気代は1時間で4円~5円ほどだといいます。

また、脱衣場など滞在時間が短い部屋を暖めたい場合は、消費電力が多くても一気に暖かくなる電気ストーブが適しているということで利用シーンにあわせて家電を使い分けるのがコツだそうです。

また冬場、雪が降るなどして外に洗濯物を干せず洗濯機の乾燥機能を使う場合もありますが
▼ドライヤーのように洗濯物を乾かす「ヒーター式」よりも
▼低温で乾燥させる「ヒートポンプ式」の方が消費電力が少ないといいます。

また掃除機はコード式より充電式のコードレス掃除機の方が節電効果が高いということです。

さらに使用にあたっても▼炊飯器の保温機能を切ったり▼テレビの音量や画面の明るさを下げたりするなど細かな対応で消費電力を抑えることができるとしています。

大手家電量販店 佐藤朱音グループリーダー

佐藤グループリーダー
電気代が上がっているのでお客さんの節電への意識も高まっている。電気代のかからない家電の提案のほか使い方もアドバイスできるので相談してほしいです

暖房は電気使用の3割近く!

こちらは経済産業省が公開している、一般家庭での冬の1日の電気使用割合です。

最も大きいのは▼暖房器具で32.7%。
細かい内訳はエアコンが17.0%、電気ストーブが3.8%、こたつが2.1%、電気カーペットが1.8%などとなっています。

次いで▼冷蔵庫が14.9%▼給湯が12.6%▼照明が9.2%などとなっています。

一方、こちらは家庭での節電対策。右端の数字は1日の電気使用量に対する節電効果(削減率)を表しています。

例えば、暖房であればエアコンの室温設定を22度から20度に変えると1日の家庭全体の消費電力のうち2.7%を削減できるという意味です。

このほか、
▼目詰まりしたエアコンのフィルターを掃除すると0.8%
▼冷蔵庫の設定を「強」から「中」にして食品の詰め込みをなくすなどの対策で1.5%
▼不要な照明をすべて消すと4.5%、それぞれ削減できるということです。

エネルギー価格やモノの値段が高騰し家計を圧迫しています。無理のない範囲で、電力会社のキャンペーンも活用しながら家計の負担を減らしてもらえればと思います。

動画はこちらから

  • 野口恭平

    新潟放送局 記者

    野口恭平

    2008年入局 徳島放送局、報道局経済部を経て新潟放送局へ。幼いころから南魚沼市で年末年始を過ごす。現在は経済を担当。最近は「着るこたつ」という商品まであるそうで、びっくり。

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