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新潟市消費者物価指数 4%の上昇で過去最高更新続く 

  • 2022年11月20日

食料品などの「値上げラッシュ」を受けて、家庭で消費するモノやサービスの値動きを見る10月の新潟市の消費者物価指数は生鮮食品を除いた指数が去年の同じ月を4%上回りました。消費税率が5%に引き上げられた1997年以来、25年ぶりの上昇率です。物価の上昇が続く中、カギとなるのは賃金が上がるかどうか。現場を取材しました。(新潟放送局 野口恭平 記者)

動画はこちらから

過去最高の更新続く 上昇率は25年ぶりの水準

総務省が11月18日に発表した10月の新潟市の消費者物価指数、衝撃的な数字となりました。

▼生鮮食品を除いた指数 103.2 前年同期比 4%上昇
※生鮮食品は天候による変動が大きいため代表的に使われる 2020年を100とする
指数の水準としては過去最高の更新を続けています。
また上昇率は消費税率が5%に引き上げられた1997年以来25年ぶりの水準です。

生鮮食品を除く総合指数

▼生鮮食品も含む総合指数 103.4 前年同期比 4.2%上昇
こちらも指数としては過去最高を更新。前年同月比での上昇は12か月連続です。

総合指数

生活への影響は…三条市のスーパーは経費削減で対応

主な要因は、原材料価格の上昇に加えて急速な円安の影響が重なった食料品の「値上げラッシュ」。「生鮮食品を除く食料」は去年10月を7%上回りました。

生活への影響はどうなっているのかー。
地域密着で営業を続ける三条市のスーパー「マルセン」を取材しました。

この店では、11月に入りメーカーからの仕入れ価格が値上がりしたことを受け
▼牛乳は20円▼ヨーグルトは10円▼清酒は50円~100円それぞれ値上げしました。
※それぞれ一部の商品

そのほかの食品や生活必需品も値上げが相次ぐなか、このスーパーでも利用客が買い控える傾向がみられ売り上げに影響が出ているということです。

店を訪れていた利用客に聞きました。

70代女性
牛乳や乳製品が値上がりしていて家計には厳しいです。このお店はB級品でも品質がいいのでうまくこうした品物も使いながら家計をやりくりしています。

70代女性
値上がりは大変ですがトマトは健康のため毎日食べているので買いに来ました。年金だけでは足りず、貯蓄を切り崩しながら生活しています。

こうした中、このスーパーでは今年9月から新聞広告のスペースを減らして広告費を削減しています。

新旧の広告
もともとの広告

というのも値上がりが続く中、例えば「きゅうり158円」と安売り情報を出しても、お客さんのこれまでのイメージからすると「高く」受け取られてしまう可能性があり広告効果が薄まってしまうと考えたからです。

小さくした広告

このため「ポイント3倍」など情報を絞り、スペースを減らしました。
広告費は従来の半分ほどに抑えられたということで捻出した費用を商品の値下げなどにあてています。

高付加価値な商品で収益確保も

また、この店では収益を確保するための試みも続けています。

今、店で売れ行きが好調だというのが一匹400円以上する大きいサイズのサンマ。

通常サイズと並べて売っても、大きいサイズの方が売れることもあるそうです。

太田雅悠専務は「サンマも高級魚として認知されて、脂がのったおいしいサンマを求める方が一定数存在するのでは」と話していました。

このほかインターネット上で話題になったキムチやドレッシングなど、通常の商品より少し値が張るものの付加価値が高い商品が思った以上に売れているということです。

またこの店では電力会社から来年の値上げを打診されていて試算では年間1000万円ほど経費が増えそうだということです。これは会社の売り上げの1%にあたる金額で、さらに厳しい状況になることが予想されますが、利用客への貢献と経営の維持を両立させたいとしています。

マルセン 太田雅悠専務

太田雅悠専務
スーパーとしては本当に厳しい状況です。特売で手ごろな商品を販売しつつ、よい品質でお客様に喜んでもらう商品も増やしていきたい。今の状況を嘆くだけでなくポジティブにとらえて環境の変化に柔軟に対応してチャレンジを続けていきたい。

課題は賃金の引き上げ

全国的にも物価は上昇を続けていて、全国の指数では第2次オイルショックの影響が続いていた1982年と同じ水準になっています。当時、物価は上昇していましたが働く人の賃上げの水準はそれを上回っていました。

一方、厚生労働省の毎月勤労統計調査によりますと物価の変動を加味した今年9月の「実質賃金」は去年9月を下回り6か月連続でマイナスとなっています。

賃金の引き上げをどのように判断するのか、現場を取材しました。

燕市にある鋳物メーカー「新潟精密鋳造」では細かな造形に対応する高い技術力を背景に半導体工場向けの受注が増え、売り上げを伸ばしています。

鋳型制作に必要な「ろう」

一方、円安やウクライナ情勢の影響で▼鋳型に使う「ろう」の価格が13%上昇したほか▼ニッケルなどの原材料が平均で15%ほど値上がりしました。

ニッケル

さらに電気料金についても電力会社から来年以降の値上げを打診されています。

会社ではこれまで約50人いる従業員について毎年2%のベースアップを続けてきましたが、来春の対応に頭を悩ませています。

従業員の生活を守るため2%を超えるベースアップの必要を感じていますが、コスト高による会社への影響も続くなか容易には決断できないといいます。

新潟精密鋳造 佐藤剛専務

新潟精密鋳造 佐藤剛専務
社員には会社の利益を賃金の引き上げで反映させたいが、原価率も上がっていてどうするか悩ましい。取引先はいまは値上げをしても受け入れてくれるがそれがいつまで続くか、それが止まったらまたデフレに戻るのではないかという危機感を持っている。

11月も乳製品などの値上げが相次ぎ消費者物価指数の上昇傾向は続きそうです。
生活や企業活動への影響とともに、賃金引き上げにつながるかどうか動向を取材していきたいと思います。

  • 野口恭平

    新潟放送局 記者

    野口恭平

    2008年入局 徳島放送局、報道局経済部を経て新潟放送局へ。幼いころから南魚沼市で年末年始を過ごす。現在は経済を担当。我が家では一時玉ねぎが食卓から消えました。

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