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『上中下越に佐渡(さぁ~ど~)ぞ!』新潟 五泉市

  • 2022年11月08日

五泉市

新潟県にある37の市区町村の魅力をお届けする『上中下越に佐渡(さぁ~ど~)ぞ!』。第23回は五泉市です。
新潟県のほぼ中央に位置する五泉市。美しい自然にあふれ、チューリップ、「さといも」など数多くの特産品を生み出しています。また、古くから絹織物の産地として知られていて、ニットの生産量は全国トップクラスです。

圧倒的な存在感 丸編機

今回はそのニット工場にお邪魔して、製造工程やその知られざる技術をお伝えしました。工場に入って目に飛び込んできたのは…こちらの大きな機械!

丸編機  五泉市でもこの工場にしかない

「丸編機(まるあみき)」と呼ばれる装置です。左右にロール状の白と赤の糸がセットされているのが写真でも分かると思います。その数なんと48個! この糸を機械の上部から引き込んで回転しながら一気に編んでいきます。その早いこと! 見る見るうちに一枚の布になっていきました。日本に導入されて40~50年の歴史がありますが今も現役で活躍しています。

デジタル技術 × 感覚・感性

丸編機の隣にずらっと並んでいるのが「横編機」と呼ばれる装置。

横編み機  テクノロジーで自由自在

こちらはデジタル技術を用いたより細かな編み方ができます。「色」や「編み方」といった細かい設定をプログラミングして、このデータを読み込ませるとその通りに編んでくれる優れものです。

こちらはプログラミングソフトのモニター画面。びっしりと並ぶ小さな四角形はすべて一つ一つの編み目です。

このデータで実際に編まれた生地がこちら! 編み方やデザインも忠実に反映されています。

プログラミングのソフトが進化したことで作業が効率的になり、デザイン開発や技術向上に時間を費やすことが出来るようになったそうです。

社長の梅田大樹さん

梅田社長
プログラミングをする人も現場で編んできた人たちなので、編みの技術、「こうすればうまくいく」という感覚や感性というアナログの部分も大切にしています。

ベテランの技

工場の2階に広がるのはたくさんのミシン! これぞ縫製の工場という感じです。

こちらでは編まれたニットを製品の形に縫っていく作業が行われています。それを支えているのは腕を磨いた職員の技術です。目をこらしてようやく見えるほどの細かい作業です。

この道33年 安藤良枝さん

安藤さん
ニットと言えば首回りの伸縮性です。普通に縫うだけだと固定されて伸びませんが、小さなすき間に糸を差し込み和を作る、いわゆる「かがり縫い」をしていきます。

ミシン対決!

そして基本はやはりミシンの操作です。その技がどれほどすごいのかを紹介するために今回は無謀にも「縫製対決」をお願いしました。お付き合いいただいたのは、この道25年のスペシャリスト 波田野忍さんです。私(筆者)は事前に操作の研修を受けて臨みました。

(右)縫製のベテラン波田野さん

練習用のシートを使って、いざ対決!   カタカタカタ…カタカタカタ… 
結果はお伝えするまでもありません。当然ですが、スピードも正確さも、比較するのも申し訳ないほどの歴然の差でした。波田野さんの縫った糸は曲がり角やカーブもとってもきれいに縫われています。

これぞプロの早業

でも波田野さん、一発勝負の撮影に緊張して手が震えていたそうで、「本当はもっとできたのに!」と悔しがっていました。

デジタル技術を取り入れながらも、職員の技術や経験、技も組み合わさってできる五泉のニット。その凄みを体感できました!

スタジオのキャスター石井もニットを着させていただきました。「肌ざわりがなめらかで、動きやすく、とっても暖かいです」(石井)。これからどんどん肌寒くなる季節。みなさんもぜひ五泉のニットで温まってみてはいかがでしょうか?

日本の服づくりを支える魅力たっぷりの五泉市。みなさんも「さぁどうぞ!」

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