災害列島 命を守る情報サイト

私たちは誰もが災害の危険と隣り合わせで生活していると言っても過言ではありません。防災情報の基礎知識や「いざ!避難」という時にとるべき対応を分かりやすく解説しています。

水害 台風 知識

「不要不急の外出控えて!」何が危ない?その時どうする?

大雨による土砂災害や川の氾濫、浸水、台風の接近時などに気象庁が呼びかける「不要不急の外出を控えて」ということば。

「勤務先に向かわなければ…」「大事な配達が…」

その外出、従業員の命を守るために会社が見直すことはできないでしょうか?過去の災害を調べると、外出中に被災する人が多いことがわかっているからです。

各局の防災関連ニュースや解説で紹介された内容です

目次

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    気象庁が発言した時は要注意

    過去の災害では、台風14号(2022年)、台風15号(2019年)、台風19号(2019)などの際に、気象庁は「不要不急の外出を控えて」と呼びかけています。

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    台風19号(2019)の気象庁会見での呼びかけ
    「よくわれわれは”不要不急の外出は避けて”と言いますが、本当に難を逃れることを最優先にして不要な外出はしないで安全確保をしていただきたい」

    仕事中、出勤・帰宅中の犠牲者が多い

    不要不急の外出を控えることがなぜ大切なのか。

    それは「仕事中」「出勤・帰宅中」に被災するケースが後を絶たないからです。

    NHKが2019年の台風19号を分析したところ、「仕事中」「通勤・帰宅中」に被災した方は13人と、屋外での死者のおよそ25%に上ることがわかりました。(令和元年11月12日の情報を元に分析)

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    赤が「仕事中」「通勤・帰宅中」 台風19号(2019年)分析より
    関連記事「台風19号分析 92人の死から見えてきたものは」はこちら

    福島県飯舘村で新聞配達のために勤務先に向かっていた75歳の男性や、宮城県大和町で、食品工場での勤務を終えて帰宅中だった58歳の女性がいずれも水害で犠牲になっています。

    特設サイト「台風がくるー大切な命を守るためにー」はこちら

    従業員に無理な出勤や・帰宅をさせないで

    会社の経営者や上司のみなさんにお願いがあります。

    従業員に無理な出勤・帰宅をさせないでください。

    その日の業務は休みや在宅勤務にできるか、業務時間の変更ができるかどうか、検討をお願いします。

    みなさんの判断が従業員の命に直結します。

    また、運送や宅配など物流を担う方々はなかなか休めない、と言うこともあるかもしれません。

    これに関しては、会社側だけでなく私たちが「災害が切迫しているのだから遅れてもしかたない」とゆとりを持つ心構えが必要です。

    大阪放送局 災害担当記者 藤島新也
    ネットワーク報道部 記者 高杉北斗


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