東京都 “繁華街で人の流れ増加
感染急拡大を危惧” 専門家

2021年3月12日

東京都内の新型コロナウイルスの感染状況などを分析・評価する「モニタリング会議」が開かれ、専門家は、新規陽性者数は下げ止まりが見られるとしたうえで、「一部の繁華街では緊急事態宣言の発出直後よりも人の流れが増加していて、感染の急拡大が危惧される」と指摘し、再度拡大に転じることへの危機感を示しました。

3月12日の会議で専門家は都内の感染状況と医療提供体制を、いずれも4段階のうち最も高い警戒レベルで維持しました。

このうち感染状況について新規陽性者数の7日間平均は、3月3日時点のおよそ272人から3月10日時点はおよそ262人で、依然として高い数値だと指摘しました。

増加比はおよそ96%で2週連続で100%前後で推移していて、下げ止まりが見られると分析しました。

そのうえで「一部の繁華街では1月8日の緊急事態宣言の発出直後よりも人の流れが増加していて、感染の急拡大を招くことが危惧される」と指摘しました。

また「第1波では緊急事態宣言解除の1週間前に新規陽性者数の増加が見られている。今回の第3波でも宣言解除前から再度感染拡大に転じることへの十分な警戒が必要だ」と危機感を示しました。

さらに、今後は流行の主体が感染力が強い変異ウイルスに移る可能性があるとして「感染が急速に拡大するリスクがある。新規陽性者数が再度増加する局面を確実に捉えて、変異ウイルスを徹底的に封じ込めることが重要だ」と強調しました。

一方、医療提供体制については3月10日時点の入院患者が1333人と、前の週の1548人から減少したものの、依然として高い水準だと指摘しました。

そのうえで「病院の体制が十分に確保できないまま感染が再拡大する危険性がある。再拡大を想定して病床や宿泊療養、自宅療養の体制確保の戦略を早急に検討する必要がある」として、対応を求めました。