東京都 コロナ5類移行後
“検査や外来診療は患者の自己負担に”

2023年3月16日

東京都は、新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行したあと、国の方針に基づいて、現在は無料となっている検査や外来診療の費用を患者の自己負担とする施策をまとめました。

東京都は、3月16日、都内の感染状況と医療提供体制を分析・評価するモニタリング会議を開き、新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行したあとの、医療費の負担や医療提供体制について、国の方針に基づいた都の施策を示しました。

この中では、現在は公費で賄われ、窓口負担が無料となっている医療費のうち、検査や、陽性が判明したあとの外来診療の費用は自己負担にするなどとしています。

出席した専門家は「5類への移行に向けて、幅広い医療機関が新型コロナの患者を診療できるようにするための医療機関への支援が必要だ」と指摘しました。

一方、会議では、都内の感染状況と医療提供体制の警戒レベルについて、いずれも下から2番目が維持されました。

会議のあと、小池知事は「高齢者や妊婦のための施設の運営などハイリスクの人を守る取り組みは継続していく。都民の不安や医療現場の混乱を招かないよう具体的な計画を取りまとめて段階的に進めていく」と述べました。

5類移行後も“マスク着用” 約7割

東京感染症対策センターが都民を対象に行ったアンケート調査で、新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」へ移行したあとも、マスクを着用したいと考えている人が全体のおよそ7割に上ることがわかりました。

東京感染症対策センターは、新型コロナの感染対策への都民の意識などについて調べるため、2月、20代から70代までのおよそ1万人を対象に、インターネットでアンケート調査を行い、3月16日、都のモニタリング会議でその結果を公表しました。

それによりますと、新型コロナの感染症法上の位置づけが5月8日に「5類」へ移行したあとも「マスクを着用する」と回答した人が全体の71.3%に上りました。

理由としては、
▽「感染を防ぐため」などの健康対策のほかに
▽「人の目が気になるから」
▽「まわりの人がつけているから」なども挙げられました。

一方、もうやめた方がよいと思う感染対策については、
▽「小・中学校での授業中のマスク着用」が36.9%
▽「黙食」が35.0%
▽「飲食店でのアクリル板など仕切りの設置」が29.1%などとなりました。

小池知事は「コロナ禍の経験がいきて、皆さんとても慎重になっている。マスクが必要な場面に備え是非、ポケットに入れることを励行してほしい」と述べました。