コロナ 高齢者入院長期化で病床ひっ迫
診療に影響 東京の病院

2023年1月20日

新型コロナウイルスの第8波で、東京 八王子市の大学病院では、80代以上の高齢者が入院患者の大半を占め、新型コロナの症状が改善しても体力の低下や持病の悪化などで入院が長引き病床がひっ迫する一因となり、新規の入院を断らざるをえないケースが出ています。

新型コロナの中等症や重症の患者を受け入れている東京 八王子市にある東海大学医学部付属八王子病院では、第8波で入院患者が再び増え、37の専用病床がほぼ埋まっていて、患者のほとんどが80代以上の高齢者となっています。

こうした患者の多くは、高齢者施設の入所者や在宅医療を受けていた人たちで、新型コロナの症状が改善しても、体力の低下や持病の悪化で受け入れ先の病院が見つからなかったり、利用していた高齢者施設でクラスターが発生するなどして戻れなかったりして、転院や退院の調整が進まず入院が長引くケースがあるということです。

病院では、こうした影響などで病床がひっ迫していて、新規の入院の要請が相次いでいますが、入院を断らざるをえないケースが出ているということです。

病院の坂巻文雄医師は、「入院中に体力が落ちる高齢者が多く、介護も必要になるため、職員の負担も増えている。がんなど一般の診療にも影響が出ている」と話しています。

一方、政府が新型コロナの感染症法上の位置づけを原則として、2023年の春に季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方向で検討を進めることについて坂巻医師は、「重症化率などを見ると、薬をもっと入手しやすくしたうえで『5類』に移行してもよいと思う。多くの医療機関や施設で適切に対応できる環境になれば、急性期病院が本来果たすべき役割を担うことができると思う」と話していました。