重症患者増
通常医療との両立に危機感
東京都モニタリング会議

2020年11月26日

東京都内の新型コロナウイルスの感染状況などを分析・評価する「モニタリング会議」が開かれ、感染状況は引き続き最も高い警戒レベルとなった一方、医療提供体制は上から2番目のレベルを維持しました。ただ、専門家は「重症患者数の増加が予想され、通常の医療体制との両立が極めて困難になると思われる」と述べ、危機感をあらわにしました。

会議では11月25日までの7日間平均で、都内で新たな感染の確認がおよそ400人となり、1週間前のおよそ326人から大幅に増加し、これまでで最も多くなったと報告されました。

専門家は「急速に感染が拡大しており、極めて深刻な状況になる前に感染拡大の防止策を早急に講じる必要がある。特に、重症化リスクの高い高齢者への感染の機会を減らすことが必要だ」と指摘しました。

そして先週に続いて、感染状況の警戒レベルを「感染が拡大していると思われる」という最も高い警戒レベルにしました。

一方、医療提供体制は「体制強化が必要であると思われる」という、上から2番目の警戒レベルを維持しました。

会議では11月25日時点の重症患者数が54人と、1週間前の39人から大幅に増加したことなどが報告され、専門家は「今後、重症患者数の増加が予想され、通常の医療体制との両立が極めて困難になると思われる」と述べ、危機感をあらわにしました。

東京都医師会 猪口副会長「レベル引き上げ実態を見ながら」

東京都医師会の猪口正孝副会長は、医療提供体制の警戒レベルを最も高いレベルに引き上げるかどうかの判断について、「病床数や重症患者の人数だけで決まるわけではなく、医療提供体制全体も見なくてはいけないだろうということで、基準をつくるのは難しい」と述べました。

そのうえで「重症患者の病床の50%がうまることなどは1つの目安になるだろうが、医療現場の実態をみながら決めていきたい。実態はどんどん動くので様子を見ながら考えたい」と述べました。