大阪府幹部「高齢者の入院
優先順位下げざるをえず」府は撤回

2021年4月30日

大阪府の医師資格を持つ幹部が新型コロナウイルスの感染拡大で病床がひっ迫し入院調整が厳しくなっているとして、府内の保健所にあてて高齢の患者については「入院の優先順位を下げざるをえない」とするメールを送っていたことが分かりました。大阪府は府の方針とは全く異なるとして、4月29日、各保健所に内容を撤回する連絡を行い、謝罪しました。

大阪府によりますと、健康医療部の次長級の幹部で医師の森脇俊医療監が4月19日、府内に18あるすべての保健所の所長にあてて、新型コロナの感染拡大で病床がひっ迫し、以前にも増して入院調整が厳しくなっているとして「当面の方針として、少ない病床を有効に利用するためにも年齢が高い方につきましては、入院の優先順位を下げざるをえない」とするメールを送りました。

また、高齢者施設の入所者で、心停止などの場合に蘇生措置を行わないよう希望している人については「みとりも含めて、対応をご検討いただきたい」と記入していました。

府は医療監が送ったメールの内容は、府の方針とは全く異なるとして、29日、各保健所に内容を撤回する連絡を行うとともに謝罪しました。

メールを送ったことについて医療監は30日午前、記者団に対し「施設の対応能力を上げてほしいという思いで書いてしまった。誤解を招いたことを深く反省している」と釈明しました。

大阪府健康医療部の藤井睦子部長は「立場のある幹部が、府の方針でもないメールを送ったことは大変申し訳なく、本人にも注意した。高齢の患者の入院の受け入れに影響はなかった」と陳謝しました。