2022年9月1日
新型コロナウイルスの感染拡大で、都内の大学病院では高齢の入院患者が増加し、入院中に持病などが悪化するケースも出ていて、病院側は専門医との連携した治療や転院先の調整などが増え、厳しい状況が続いているとしています。
東京 文京区の東京医科歯科大学病院では、重症と中等症の患者のコロナ病床として合わせて30床を確保していますが、8月30日の時点で、4分の3にあたる23床が埋まり、ひっ迫した状況が続いています。
さらに、この大学病院では65歳以上の高齢の患者が増えていて、8月30日の時点で、入院患者の7割を占めています。
こうした高齢の患者は、新型コロナによるのどの痛みの症状から食事の量が減り、体力が衰えるなどして持病などが悪化するケースも出ているということです。
このため、この大学病院では、新型コロナの治療に加え、がんなどの専門医と連携して治療したり、新型コロナの症状が改善した場合は専門病院への転院を調整したりして対応しています。
このほかに、患者が早く退院できるようにリハビリテーションにも力を入れていますが、高齢の入院患者が増え、専門のスタッフの負担が大きくなっているとしています。
東京医科歯科大学病院の植木穣病院長補佐は「高齢の患者は持病があり、治療や退院までに時間がかかるケースが多い。さらに介護やリハビリテーションへの対応で高齢者が増えるほど負担は大きくなる。新型コロナの患者数は少しずつ減っているが、病院としては大変な状況が続いている」と話しています。