コロナ感染女性 健康観察ないまま死亡
感染確認の病院が謝罪

2021年12月14日

新型コロナウイルスの感染が確認された東京都内の女性が、健康観察が行われないまま自宅で亡くなった問題で、女性の感染を確認したものの保健所に届け出ていなかった病院が記者会見を開き、謝罪しました。

都内に住む50代の女性は、2021年8月6日に武蔵村山市の武蔵村山病院で感染が確認されましたが、病院のミスで保健所に「発生届」が出されなかったため、保健所による健康観察が一度も行われないまま8日後の8月14日に自宅で死亡しました。

今回の問題をうけて武蔵村山病院は、12月14日記者会見を開きました。

このなかで鹿取正道院長は「痛恨の極みで亡くなられた患者のご冥福をお祈りし、残されたご家族におわび申し上げます」と述べ、謝罪しました。

病院によりますと当時、「発生届」はファクシミリで保健所に送っていたということですが、担当する看護師の間で情報伝達にミスがあり、亡くなった女性の届けを送るのが漏れていたということです。

今後は新型コロナウイルスの感染者情報を集約する国のシステム「HER-SYS」で保健所に届け出るほか、チェックする担当者を増やすなどして再発防止に努めるということです。

会見のなかで鹿取院長は「女性への健康観察が行われていれば、酸素飽和度の低下をいち早く把握するなどして、入院につなげることができたかもしれない」と述べました。

また、当時は感染者が多数発生していた時期だったということで、「ひっ迫した医療体制が背景にあったことは否めないが、それでも十分に反省しなくてはいけない」と話していました。