病院経営状況
新型コロナによる受診控えで悪化も補助金で黒字

2021年11月24日

病床が20床以上の「一般病院」の令和2年度の経営状況は、新型コロナウイルスによる受診控えなどの影響で大きく悪化しましたが、新型コロナ患者の受け入れに対する国の補助金を受け黒字になりました。

医療機関に支払われる診療報酬の改定に向けて、厚生労働省は、昨年度・令和2年度の医療機関の経営状況を調査し、11月24日に開かれた中医協=中央社会保険医療協議会に報告しました。

それによりますと病床数が20床以上の「一般病院」の収支は、平均で2億2473万円の赤字で前の年度と比べて1億2077万円赤字が増えました。

一方で、新型コロナ患者の受け入れに協力した医療機関などに支給された国の補助金を含めると1321万円の黒字となりました。

経営主体別に見ると、国立病院は平均で5億5540万円の赤字でしたが、補助金を含めると4億1049万円の黒字となりました。

一方、公立病院は9億3874万円の赤字で、補助金を含めても3億1910万円の赤字でした。

また、医療法人が経営する民間病院は191万円の黒字で、補助金を含めると4199万円の黒字となりました。

このほか病床が19床以下の「一般診療所」は、医療法人が経営する診療所が605万円、個人経営の診療所は2231万円のいずれも黒字でした。

また医師の平均年収は、
国立病院の勤務医が1323万円、
公立病院が1472万円、
民間病院が1506万円、
医療法人が経営する診療所は1078万円、
個人経営の診療所は997万円でした。

厚生労働省は「一般病院では、新型コロナ対応のために設備費などの支出が増えた一方、緊急性が低い手術の後回しや患者の受診控えで収入が減り収支が悪化した。今後、補助金を維持すべきか議論を進める必要がある」としています。