2019年2月

2019年02月13日 (水)

【テキストまとめ】戸籍のない人

戸籍がない…なぜ?どうなってしまう???
【山里】   まずですね、お聞きしたいんですけれども、戸籍がないっていうのはどういうこと?

【ショウタ】 はい、日本の中で存在してないとか、この世にいないっていうのと同じなんですね紙の上とか、法律の上では
【山里】   は~
【ショウタ】 なので日本人でも、かといって外国人でもないです。
【YOU】  そうだよね。だって親に当たる方がちゃんと申請をしないといけないこと
【ショウタ】 そうですね。名前とか生年月日もあるんですけど、それを証明する術もないので

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【山里】   そもそものことをちょっとお伺いしていきたいんですけれども、なぜ戸籍がないのかっていうのは、まずショウタさんお聞きしていいですか
【ショウタ】 私の場合物心ついたときからずっと義母と暮らしていて、両親には会った
こともなければ、誰なのかも知らない状態なので。
【YOU】  じゃあその一緒に暮らしてた方はなんか
【ショウタ】 義理の母、当時オカンって呼んでたので、そのオカンと2人暮らしで外に出ることは基本的にダメって言われてたので


【山里】   ミユさんは?
【ミユ】   私は30年ぐらいお家の中でずっと過ごしていました。
【YOU】  マジで?
【ミユ】   はい。母親がですね、私の実の血の繋がったお父さんとは違う方と、もともと結婚していたんです。
【山里】   はー。

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【ミユ】   それで、母は夫の方からすごい暴力を受けていて、そこから離婚することができないまま、逃げ出しまして、それで私の実の父との間に私が生まれたっていう形になりまして。

【山里】   は~。学校とかってどうしてたんですか?

【ショウタ】 学校行けなかったです。
【ミユ】   (同時にうなずく)
【山里】   えっ!
【YOU】  えっ!
【山里】   行けないんですか?
【ショウタ】 はい。
【YOU】  お母さんって何か聞いたりした?学校ってなーに?
【ショウタ】 行けないの?みたいな話を聞くと、気まずそうな顔をするんで、あっこれはダメなことなんだなっていうふうに
【山里】   ミユさんはどうですか?
【ミユ】   小さい頃は、学校に行っていないということも、両親から、外では言ってはいけないってことになっていて。私立の学校に行っているって話しなさいっていうふうに言われていました。
で、自宅とかには普通にランドセルとかもあって、勉強机もあったし、いかにも学校に行ってるって感じで
【YOU】  うーん
【山里】   学校に行ってるっていう感じをカモフラージュするために?
【ミユ】   そうですね

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【山里】   でも学校行きたいってなったでしょう
【ミユ】   それはありました。小さいながらおかしいと思っていて
【山里】   そうだよね
【ミユ】   10歳ぐらいだったと思うんですけど、ごはんをつくっている母のところに寄っていって「お母さん何で私学校行ってないの?」って聞きましたら、母はすごい困った顔して「ちょっとお父さんに聞いてみて」とかって言われてしまって、そしたらお父さんも同じように、困った顔をして「お母さんに聞いて」って言われて、あ~!みたいな
【YOU】  まぁでもね、聞きたいもんね、それは
【山里】   ショウタさんはどうです?
【ショウタ】 一時期すごいあこがれましたね。テレビしか情報源ないので、「中学生日記」とか「さわやか3組」とかで何となくどんな場所なんだみたいなことは知ってて、行ってみたいとかって言っても、また今度ねぐらいな
【YOU】  うーん

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【ショウタ】 そうこうしてる間に、自分の中でも行かない組の人と行く組の人がいて、行く組の人たちが行ってることなんだな、学校っていうものはっていう認識を持っちゃってからはそんなに行きたいっていう気持ちにもならないっていう。

【山里】   うーん。子どもの頃、困ったこととか何ですか?
【ショウタ】 保険証がないことが一番
【YOU】  あー
【ショウタ】 なので普段からケガだけはするなっていう
一度だけ骨折しちゃったことがあるんですけど、そのとき骨折の心配よりも、骨折したことにすごい怒られて。
【山里】   へーっ、お母さんから?
【YOU】  困るでしょって。
【ショウタ】 何で折ったん!って。

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【山里】   そんな別に折ろうと思って折ってるわけじゃないんだけどね。そうか、でも保険が使えないで外科の手術が入るってなると、むちゃくちゃ高いですもんね
【YOU】  保険証はしんどいな
【山里】   10割負担って結構な金額ですもんね
【YOU】  うーん
【ショウタ】 金銭面もそうなんですけど、それ以外に子の存在が。
【YOU】  そうよ。
【山里】   そっか
【YOU】  変な言い方だけど…え?ってねー。その区にしても市にしても、ショウタさんの存在が…。
【ショウタ】 バレちゃう可能性がそれがきっかけで怪しい子どもが1人いるぞみたいになってしまうと、存在がバレてしまうことも気にしてたんじゃないかなーと思います。
【YOU】  確かにね~
【山里】   ミユさんどうです? 
【ミユ】   もう本当保険証はなかったので、すごく困りました。15~16歳だったと思うんですけど、奥歯があまりに痛かったので歯医者さんに行ってみようって自分で思って、小っちゃな個人の歯医者さんのところに行ってみたんですね。それで保険証持ってますか?って言われまして、多分お家にありますよっていうふうに言われて、今度来るときそれ持ってきてくださいって言われたんですね。
【山里】   は~
【ミユ】   で、家に帰ってから母に次、歯医者さんに行く曜日が決まってたので、それまでに保険証を用意しておいてほしいって頼んだんです。その曜日になっても母が用意してくれなくて、えっ何で?みたいな
【YOU】  言ったじゃーんつって。
【ミユ】   初めてそこで自分は証明書みたいなのがないっていうことに…。
【YOU】  感じた?
【ミユ】   に、気がついたっていうか。
【山里】   じゃどうするんすか、虫歯。めっちゃ痛いでしょ?
【ミユ】   痛いですけどそれっきり歯医者行ってないので歯が痛いのが当たり前みたいな感じで
【山里】   えーーー!

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【ミユ】   ずっと痛みに耐えていたんです。
【山里】   ただただ我慢?
【ミユ】   はい
【YOU】  たまんないね

どうやれば抜け出せるのか…?

【ミユ】   働くこともできないし、何でほかの子みたいに自由にできないのかっていうのがすごくあって、そういう環境に置いている両親っていうのを、すごく恨んでしまったこともあります。
【山里】   大丈夫でしたか?関係は
【ミユ】   私はどこで生まれたのとか、何で学校行けないの?とか結構激しく両親とは闘ったときもありました。でも両親はもう本当に頑なに、私が戸籍がないことを教えてくれなかったので、どうすることもできなかったんですね、自分の中で両親を責めるしかなかったので。
【山里】   でも、それ投げかけても返ってこないわけでしょう
【ミユ】   そうですね。両親とは完全に距離を置くっていうことしかできなくて、もう自分の部屋に閉じこもって、鍵を閉めて、両親とは会わないように生活してました。
【山里】   閉じこもったままの生活ってどんな感じなんですか?
【ミユ】   両親が寝静まった頃に部屋から出ていってお風呂に入ったり、冷蔵庫から食べ物出してきてごはん食べたりして、両親が起きてくる朝になると部屋に戻って、また閉じこもるみたいな。
【山里】   いやそれはおかしくなっちゃいそうじゃなかったですか、その生活
【ミユ】   そうですね。それが長く続いたので…
【山里】   どれぐらいとかって覚えてます?
【ミユ】   十数年だと思います。

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【ミユ】   同じような生活を365日くり返しているのでほとんどもう記憶がないんですよ。で、どんどん精神的にも病んできてしまって、自分には未来がないみたいな感じなので自分を責めるような感じになってしまって、自分はこの世の中にいてはいけないんじゃないかっていう
学校も行ってないし、何もできない人間が、この世の中にいていいのかなっていうのがあって。自分がなくなっていくっていうか、どんどん自分を消していくような感じになってきてしまってごはんも食べれなくって、どんどんやせ細っていっちゃって、体重も30キロ台になってしまって

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【山里】   不安がやっぱすごかったでしょ、この先どうなっちゃうんだろうみたいな
【ミユ】   両親がこのまま年を取っていって死んでしまったら戸籍がないので、結婚もできないし、きっとホームレスになってしまってって、そういうふうに思ってました。

たまたまNHKを見ていたら「クローズアップ現代」って番組がありまして、そこで自分と同い年の女性が無戸籍でいて、戸籍を取ろうと一生懸命頑張ってるっていう姿を見まして、全く自分と一緒だ!って思ってすごく勇気を持てて、もしかしたら私もどうにかこの生活を抜け出せるかもしれないっていうふうに思ったんです。

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【YOU】  すごい「クローズアップ現代」のおかげ。よかった~
【山里】   それでどうしたんですか?
【ミユ】   「クローズアップ現代」で支援団体の方がいらっしゃるということを知っていたので、連絡を取ってみて、それでようやく裁判を起こすというような手続きになっていったんですけど、30年間ぐらい社会とは全く関わりのない生活を続けなきゃいけなかったっていうことで、両親のことも恨んだこともあったんだけれども、でも私がすごく精神的に病んじゃったときとか支えてくれたのは両親だったので
両親はどんなときでも私のそばにいてくれて、励ましてくれて、私を裏切らず捨てずにいてくれたっていうこと、その両親のためにも頑張りたいって思ったし母もすごく病気がちだったりして、父も結構不安定なこう職業だったりっていうことがあって、自分がやっぱり家族を支えなきゃっていうふうに思うようになって、で、だからこそ戸籍が欲しいっていうふうに思って
【山里】   そっか家族を助けたい、そのためにも証明が欲しいって、また証明が欲しい理由が一つ増えたんですね
それでお母さんも頑張って無事、離婚することができて。
【ミユ】   はい、その後、戸籍をつくることができました
【YOU】  よかったね~
【ミユ】   本当に以前は赤の他人の3人だったんですね。両親も入籍はしていないわけですし、で私も登録はされていないって、赤の他人の3人で暮らしていたんですけど、でもやっぱり世の中で生きていくためには、家族っていう証明っていうのが本当に必要なので

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【ミユ】   世の中に私たち家族を認めてほしいっていう、そういう思いがあって。

本当の家族になれたっていうか、誰に言っても家族だよって証明するものがあるっていうのは本当にすごくありがたいものです

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【山里】   でショウタさん。何か動いたりとかしてるんですか?戸籍を取るために
【ショウタ】 手続きはしてるんですけど、まだ戸籍は発行されていないのが今現在で。
【山里】   どうして無理なんだろ
【ショウタ】 日本人であることの証明ができないっていうのが、戸籍を取る手続きのときに言われたことで、出生証明とかがあると日本人っていうことが分かるのでいいんですけど、唯一証明できる育ての母親も消息不明で誰も自分を証明できる人がいなくて。でその上でこうやって生きてきましたっていう、自分の人生を陳述書として書いて話をしたんですけど、学校行ってない人間がそんなに流ちょうに話せるかねと。
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【山里】   いや、どうしたらいいんだろ?
【YOU】  とにかく諦めないだよね。声上げて諦めないしかないよね。ね、うん。

投稿時間:23:20 | カテゴリ:赤裸々トークまとめ | 固定リンク


2019年02月06日 (水)

【テキストまとめ】プロになれなかった元奨励会員

天才たちが切磋琢磨するプロ棋士養成機関ってどんな世界!?

【山里】むちゃくちゃ難しいわけでしょ、その奨励会に入ってプロになるっていう段取り。
【ケンタロウ】そうですね。全国のトップというか、才能を認められた人たちが集まって、その中で勝ち抜かないといけないということですね。

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【山里】その地域、その地域で天才だと言われた人たちがぶつかる壁っていうことの、
この衝撃たるやですよ。
【YOU】え、だからひふみんとかは、そういうとこに入っている?
【山里】入ってプロになったということですね。
ひふみんって僕ら本当にゆるキャラみたいに扱ってますけど。
【YOU】ごめんなさい。
【山里】むちゃくちゃすごいってことですよね。 
【エイキチ】本当にもう大先生です。神の神です、はい。

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【ケンタロウ】やっぱりいろんな各地から天才と呼ばれる人が集まって、それで合格してるので、またさらにレベルが上がってきてるわけですから、私の地元では自分が強いつもりだったんですけど、上には上がいるといいますか。
【山里】じゃもう、さらにもっとやんなきゃいけないってなるわけですか。
【ケンタロウ】そうですねやっぱ1分1秒、1日っていうのがすごい無駄にできないなっていう気持ちがあって。修学旅行とかも中学校のとき時間を無駄にしたくないと思って行ってないです。
【山里】えーっ!

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【ケンタロウ】そうなんです、やっぱり将棋、一日無駄にするとやっぱ感覚っていうのが
すごい鈍ってしまうのが怖くて。
【YOU】は~
【ケンタロウ】将棋って直感がすごい大事なゲームなんですね。パッと局面を見たときに何が思いつくか、そこがすごい大事な部分で、一日、二日どんどん離れていくと、どんどん感覚が鈍ってくるんですね。だからぱっと見て3秒ぐらい考えないと出てこないときって、
やっぱちょっと将棋から離れてるときなんですね。
【山里】 3秒ですよ?
【ケンタロウ】 やっぱり1つの将棋っていうのは、一手で200通りぐらいの選択肢の中から1番いいと思われる指し手を選ばないといけなくてそれをいかに速く探せるかっていう。

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【山里】 1秒1秒の世界だとしたら、それは修学旅行3泊ぐらい行って、将棋から離れるなんていうのは。
【ケンタロウ】怖いですね。
【YOU】お母さん嫌だったろうな、一緒にいるの。
【山里】ピリピリするから当たったりとかしました? お母さんに。
【ケンタロウ】ピリピリしてます。
【エイキチ】めちゃくちゃ当たりましたよ。

26歳までにプロになれなければ退会

【山里】で、その後ですよ。これが年齢制限というのは来るわけでしょ。どうなってったんですか?徐々に26歳という壁が近づいてくるっていうときは。
【エイキチ】いやもう本当にプロにならなければ、全部そのすべて、高校中退してすべて打ち込んだものが全部なくなってしまうっていう。
【山里】怖いですよね!
【エイキチ】はい。もう恐怖というか、将来のこと考えられなくなってますよね。本当にどんどんどんどん悪い方、悪い方にっていう。
【山里】もう23,4,5歳なんて地獄の年でしょ、もう。
【エイキチ】もう地獄ですね。
【エイキチ】もう本当に寝てるときも食べてるときも将棋のことをずっと考えて、味がしないですよね、何か本当に。
【山里】 そっか~
【エイキチ】もう本当生きるために、何か自分の体を保つために何か物を入れてるというだけの、何かすべてのことが楽しめないっていうか。
【山里】すげぇ追い詰められたときに、気分転換ってどうしてました?
【エイキチ】ちょっと人間らしくしたいなと思ったときに、やっぱ音楽を聞こうと思ったんですけど、そのときにやっぱり尾崎豊とかがリンクしてしまって。シェリーですよね。「いつになれば俺は這い上がれるのだろう~」。

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【山里】あぁ「シェリー」!
【エイキチ】はい、「シェリー」は大合唱してました。もう何かみんなで奨励会員が集まると、「シェリー」ばっかり。

【ケンタロウ】 ずっと心の奥底にこう、常に時限爆弾を抱えてるような感じで、カチカチカチカチ常に動いてるんです。それがふとした瞬間に気づくんです。例えばカラオケ歌ってる最中とかに、年齢制限っていう、将棋やらなきゃっていう気持ちになったりとか、心の片隅に常に時限爆弾があるんですね。だから本当に楽しいときとかでも純粋に楽しめないです。
【山里】そっか。

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【ケンタロウ】そうですね、年齢制限のちょっと手前で辞めたんですけれども、やっぱもうでもその最後の時ですね。この将棋が負けたら辞めるって自分で決めている将棋を、自分が劣勢になったときに、背筋がスーッとしましたね。もう何か…。
【YOU】どういう?
【ケンタロウ】すべて失う何か、スーッて抜けていくような、自分の体が全部なくなるような、本当にスーッとしました。すべて血が何か冷たくなるような、
【山里】はー
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【ケンタロウ】何か、お尻の後ろからスーッていう。
【山里】何もかもがなくなるんだ~っていう。
【YOU】へー

投稿時間:23:20 | カテゴリ:赤裸々トークまとめ | 固定リンク


2019年02月06日 (水)

おまけ「ネホパホ四天王 お守り待ち受け」

将棋と同様に、受験も絶対に負けられない戦い。

そんな受験生を応援すべく、いま話題のキャラたちのねほりんぱほりんverを
つくりました!待ち受けにすればきっとご利益がある!・・・はず。

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