第90回 課題曲
高等学校の部
課題曲作詞
劇団ひとり(お笑い芸人)
千葉県出身。バラエティーで活躍する傍ら、俳優・作家・監督としても多岐に活動。2006年発表した小説『陰日向に咲く』は100万部を超えるベストセラーに。二作目の『青天の霹靂』は映画化の際、初の監督・脚本を担当。最近では映画『浅草キッド』や『24時間テレビドラマ無言館』の監督・脚本としての評価も高い。
2022年8月、最新小説『浅草ルンタッタ』を発表した。
劇団ひとりさんからのメッセージ
なにか旅の途中、様々な経験を共にし、やがて各々の目的地である場所へ飛んでいく。その別れの瞬間を詩にしてみました。詩に出てくる鳥達は生徒の皆さんです。旅は学校、部活、恋に友情、何を想うのかはそれぞれ違うでしょうが、きっとその景色はずっと忘れないはずです。少なくとも僕はそうです。残念ながら勉強は微塵も思い出せませんが、初めての彼女と行ったテーマパーク、友達と食べた今川焼き、そんなことは30 年経った今も覚えています。皆さんが大人になった時、この歌がそれらを思い出す手助けになったら幸いです。
高等学校の部
課題曲作曲
信長貴富(のぶながたかとみ)(作曲家)
1994年上智大学文学部教育学科卒業。1994・95・99年朝日作曲賞(合唱曲)、1998年奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門第1位、2000年現音作曲新人賞入選(室内楽曲)、2001年日本音楽コンクール作曲部門(室内楽曲)第2位などを受賞。多数の合唱曲のほかに、オペラ、歌曲、室内楽など作品は多岐にわたる。これまで手がけた課題曲に71回高校「「新しい人」に」、73回中学校「虹」(編曲)、75回高校「青春譜」、84回小学校「いまだよ」がある。
信長貴富さんからのメッセージ
旋律は上昇気流に乗って伸びやかに飛翔する。揚力と重力が均衡するかしないかのところに音が浮揚しているイメージ。テンポについても、推力と抗力の引っ張り合いによって、楽譜には書き表せないうねりや勢いが生じるイメージが私の中にある。指揮者、ピアニスト、歌い手が対等に音楽に関わり、その瞬間にしか存在し得ないアンサンブルが生まれることを期待している。
長く続いたコロナ禍で合唱にたずさわる多くの人々が困難の中にいた。90回目の記念となるNコンで多くの若者が声と心を解放し、歌を世界に羽ばたかせてほしい。