第89回 課題曲
撮影:深堀瑞穂
谷川 俊太郎(詩人)
1931年東京生まれ。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。1962年「月火水木金土日の歌」で第四回日本レコード大賞作詩賞、1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』で第三十四回読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で第一回萩原朔太郎賞など受賞・著書多数。詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表している。
Nコン課題曲の作詞は第41回中学校の部「青空のすみっこ」、第62回高等学校の部「生きる」、第71回中学校の部「信じる」、第77回高等学校の部「いのち」を手がけた。
谷川俊太郎さんからのメッセージ
耳で聞くだけでなく、自分の声で、自分の気持ちで答えたくなるような歌になったと思います。誰かが歌っていると自然に自分もそこに参加したくなる、一人の自分の歌がそのまま何人もの違う自分の歌になる、それが合唱の始まりです。単数のメロディが複数のハーモニーになることで、生まれる美しさ、それは人間社会のありかたそのものではないでしょうか。
新実 徳英(作曲家)
東京大学工学部卒、東京藝術大学作曲科卒、同大学院修了。オペラ「白鳥」、管弦楽曲は「風神・雷神」他多数あり国内外で演奏されている。「協奏的交響曲エランヴィタール」で尾高賞、他中島健蔵音楽賞、文化庁芸術祭大賞、別宮賞等。器楽、室内楽、邦楽、合唱作品等多数。谷川雁との共作「白いうた青いうた」53曲、和合亮一の詩による「つぶてソング」12曲は広く歌われている。18年NYで開催のミュージック・フロム・ジャパン音楽祭での新作を含む作品個展が好評を博す。
Nコン課題曲の作曲は第51回中学校の部「虹のうた」、第58回高等学校の部「聞こえる」、第62回高等学校の部「生きる」、69回小学校の部「おさんぽぽいぽい」、第74回小学校の部「手をのばす」第80回高等学校の部「ここにいる」を手がけた。
新実徳英さんからのメッセージ
宇宙の広がりを3分半に盛りこむ、多様性(たようせい)と統一性(とういつせい)を持たせる、小学生ばかりでなく、中高生、大人たちも歌いたくなる、そんな曲にしたいと思ったのでした。
ボクたちは日々新しい。子どもだって大人だって毎日生まれ変わっている。そんなこともこの歌を歌って感じて欲しいのです。
ともあれ、コンクールは子どもたちの祭典だ。皆さんが力いっぱい呼びかけ、優しく歌い、疑問を投げかけ、そして手拍子やら足拍子…全身で宇宙をつかむのです。
楽しく、美しく、力強く、歌い上げてください。