Special コラム  十勝晴れ

【第2回】長い長い冬を越えて、足元に確かな春

十勝を舞台にした「なつぞら」がついにはじまりました。
最初のシーンの広々とした草原。響き渡る鳥の声、大きな空。映像ひとつひとつに十勝らしさが詰め込まれていて、見ていて本当にうれしくなります!
周りの友人たちや、SNSでも話題になっていて、地元も大いに盛り上がっています。なかには「知り合いの牛たちが映ってる!」という声も。

「なつぞら、楽しみだねー」という声が、長い冬が終わった今、「もうすぐ夏が来るね」といううれしさに重なります。

今回コラムとイラストを担当するのは、十勝に暮らして8年目、夫婦2人のイラストデザイナーYです。なつぞらの舞台となる十勝の風景や、地元ならではのリアルな情報を伝えていきたいと思います。

寒さ厳しい十勝の冬。山も畑も、あたり一面真っ白な世界。
氷点下20度を越える日もあり、子どもたちは前髪を白く氷で染めながら学校へ通います。
それでも、毎日青空が広がり、美しい日高山脈が連なって、十勝の人たちの心はどこか明るいのです。

なぜなら、長い冬の後には、必ず春がやってくるから。

雪の下から顔を出すのは、黄色い花の福寿草。雪解け水が流れ、畑の土が顔を出します。
4月の十勝は、桜前線の北上を待たずとも、足元から感じる春のよろこびにあふれています。

4月といっても、昼間でも気温はひと桁。何度か雪も降り、まだまだ寒さに油断はできません。
でも、少しでもあたたかい日があれば、気分は夏モードに。外で焼き肉もしたい!

今よりずっと寒さも厳しかった開拓時代。
その時代を生きてきた、なつのおじいさん、泰樹の言葉が印象的でした。
「俺たちはなんでも我慢せずに言い合う。そうしなければ、開拓の辛さも、冬には零下三十度を超す寒さにも、耐えきれんかった。言い合える相手がいるだけで、人は恵まれとる」

寒いからと静かに閉じこもることはなく、厳しい冬だからこそ人々は力強く生き、この土地での暮らしをつないできたのです。雪の下で根を張って、芽を出す福寿草のように。

雪解けとともに溢れ出すのは、長い冬の間に蓄えていた、十勝の人々の夏空への想い。そのエネルギーは、開拓の時代から変わらず、十勝の人たちにとっての大きな原動力となっているのです。

主題歌「優しいあの子」を歌う、スピッツの草野マサムネさんの、
“「なつぞら」は、厳しい冬を経て、みんなで待ちに待った夏の空、という解釈です。”というコメントを読んで私たちは、まさに十勝ならではの「夏への気持ち」を表している!と感動しました。
夏に向けて毎朝、この歌から力をもらえそうです。

※参照:「関連情報 主題歌はスピッツ!

夏を待ち望んでいるのは、牛も一緒。今頃は牛舎の中で、夏の放牧がはじまるのを楽しみにしているかも。

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