インタビュー

仲努役 井浦新さん インタビュー

新しい才能に対しても
肯定的で楽しめる人でありたい

きっと今までもこうやって
連続テレビ小説が作られてきた

連続テレビ小説初出演のオファーを受けたときはどのような気持ちでしたか?

幼少期から家族で見ていましたし、役者をやらせてもらっている以上、歴史のある作品に呼んでいただけるというのは本当に光栄なことだと思いました。家族も親戚も本当に喜んでくれたので、すごい作品なのだなと感じました。

『なつぞら』は連続テレビ小説100作目という記念すべきタイミングですが、1作1作が壮大な物語の作品ですから、100作目だから特別なわけではないんです。今までの伝統が継承されて作られているので、連続テレビ小説ならではの撮影現場を味わっています。ヒロインの広瀬すずさんが100作目ということを内に秘めて元気に現場の真ん中に立っている姿を見ると、たまたま『なつぞら』が100作目なだけで、そこに集まったスタッフやキャストの方たちがいて、きっと今までもこうやって連続テレビ小説が作られてきたのだろうと感じさせてもらっています。

とんでもないことをしでかしている

井浦さん演じる仲努とはどのような人だと思いますか?

僕が演じる仲努が渡したアニメーション原画をきっかけになつ(広瀬すず)がアニメーターになろうとするところを最初に台本で読んだとき、すごく責任のある役だと思いました。なつのアニメーターになるという夢をぐいっと引っ張ったので、とんでもないことをしでかしていると(笑)。
仲をどういう役柄にしていこうかと思った時に、時代は漫画映画の草創期で、みんな手探りでやっていた時代だと思いました。圧倒的なベテランがいるわけでもなく、「みんなで一緒に手探りで作っていく東洋動画スタジオ」。そして、仲も「一緒に悩んで苦しんでアニメーションを作っていく人」という役にしていければと思っています。

そして新しい才能に対しても肯定的で楽しめる人でありたいなと思います。上司だけど心の距離が近い人。仲努という男は自分が絶対ではなく、自分にないものを常に求めていて、新しい才能を受け入れて、そこからも自分が学ぼうとするそういう姿勢でいられる人物像でいたいなと思いました。
仲は初めて会ったなっちゃんにアニメーターとしての可能性を見たんだと思うんです。なっちゃんに対して肩入れするのは、絵を描くことが好きだという才能を潰したくないという考えからなのだと思います。

-----坂場(中川大志)に対してはどうですか?

坂場くんに対してはなっちゃんとは少し違って、坂場くんが仲自身に全くない才能を持っていることに対しての興味だと思います。演出家としての才能や判断というのは、真新しいことだったのだと思います。どうやったら坂場を生かすことができるか、仲の頭の中にそれを説明する言葉がなくて苦しんだのだろうなと。坂場くんにはいつも歯がゆい気持ちでいます。豊かな才能を自由に開花させていくための言葉を自分が持ち合わせていないので。でも挑戦させたいという試行錯誤があるのだと思います。

こんなにも人の手を介して作り上げたもの

アニメーションチームとしてドラマをご覧になるみなさまに届けたい思いはありますか?

今回、漫画映画というのはこんなにもたくさんの人たちが関わって作り上げるところに驚きと感動がありました。原画でも何万枚で、動画にしたら何十万枚という枚数を作り上げていく。僕が子供のころにただ楽しいと思って見ていたアニメーションが、こんなにも人の手を介して作り上げられたものだと思うと、今更ですが背筋が伸びる思いです。
夢を実現するというのは容易なことではないです。たくさんの出会いと別れがあって、でも諦めないで好きだという気持ちをずっと純粋に持ち続けていけたら、何かひとつの物をつかみ取ることができる。好きだという情熱をずっと燃やし続けて、大人になってもその火を絶やさずに燃やし続けることができたら、必ず自分の夢に近づいたり手に入れたりできるという勇気を、みなさんに楽しんでもらえたらと思います。「何かを手に入れるには何かを諦めなければいけない」という考え方もありますけど、自分の好きなことは大切に、諦めないでほしいという応援歌になればいいです。

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