インタビュー

柴田夕見子役 福地桃子さん インタビュー

似ていないからこそ、
自分にしかできない夕見子を作っていきたい

今まで自分の中で出したことがないキャラクター

柴田夕見子をどのように演じようと思いましたか?

自分と夕見子は似ている要素の方が少ないと思います。私とは考え方もペースも違うので、今まで自分の中で出したことがないキャラクターをたのしみたいと思いました。
私はどちらかというと、言葉を一旦考えてから話をしてしまうけれど、夕見子は何事にもまっすぐで、ストレートに包み隠さず言える強さがある。それが夕見子のいいところでも悪いところでもあるので、そんな彼女の個性を大事にしたいと思って演じています。自分と似ていないからこそ、自分にしかできない夕見子を作っていきたいと思いました。
柴田家の中で演技をしていると、夕見子の不器用な表現も愛情に変わる瞬間を感じることができます。なつの背中を押すシーンを演じたとき、不器用だけどまっすぐ伝える強くて優しい部分を私自身が感じて、知れば知るほど夕見子の魅力をもっと伝えたいと思うようになったんです。

突拍子もない行動をとっているという自覚はない

第16週では夕見子が駆け落ちで東京に来ましたが、その展開についてはどう思いますか?

夕見子が東京に来るシーンを台本で読んだとき、「また夕見子らしくひっかき回しているな」という印象をうけました(笑)。夕見子にはいつも突拍子もない行動をとっているという自覚はなくて、ひねくれたり反抗したいという気持ちもきっとないと思います。小さいころから変わらず自分の意思を信じて突っ走っている行動だと思うので、大人になってもピュアな気持ちを曲げずに演じたいと思いました。
駆け落ちをした時期というのは夕見子の中で一歩社会に出てみようと決断した時期だと思うんです。まっすぐすぎて目先のことしか見えなくて突っ走ってしまう行動は誰にでもあると思うので、若さ特有の熱量を大切に表現したいと意識して演じていました。夕見子を見て、思いきって発言する勇気や、何か挑戦するきっかけになってもらいたいなと思っています。

答え合わせをしてくれるのはいつもじいちゃん

駆け落ち相手の高山(須藤蓮)は泰樹(草刈正雄)のような面影がある人でしたが、そういう相手を選ぶことに関してはどう思いますか?

夕見子がいつもする発言や起こす行動は、じいちゃん(泰樹)に似ていることがとても多いと思いますし、柴田家はみんなそれぞれ、じいちゃんを尊敬しているので、志が明確な高山さんの思考や発想に新しい風を感じたんだと思うんです。
開拓者精神があって、お互い刺激を受けられる相手と一緒に上京するということは、夕見子が育った環境だと納得してしまいますね。

-----そして泰樹さんが東京にやってきましたが…。

目の前のことしか見えない若さゆえの行動に対して、誰に何を言われても曲げなかった夕見子ですが、なんとなく今の行動は正しくないと気づいていて、それをじいちゃんが教えてくれた。じいちゃんじゃなかったら、素直になれなかったと思うんです。答え合わせをしてくれるのはいつもじいちゃんなのだなと、あのシーンで感じました。
北海道からじいちゃんが来てくれたことで素直に認められたのは、夕見子の人生のターニングポイントにもなるのかなと思っていて、これからの人生において、なつや亜矢美さんたちが自分を見守ってくれたことも、忘れられない日々になったと思います。
自分に寄り添ってくれる人たちの温かさを感じ、撮影中は何度も涙が出てきました。じいちゃんの安心感のある空気に一瞬子供に戻ったような瞬間があって、「じいちゃんの存在は自分にとってこんなに大きいものだった」と再認識させてもらったシーンでした。

血が繋がっていないからこそ大切にできる強い絆

なつと夕見子という姉妹はどんな関係ですか?

「風車」でなつが、「夕見はただ一度も嘘をつかなかった。夕見のような素直な人に私は会ったことがない」と言ったセリフが印象的で、台本で読んだ段階でなんだかうれしくて涙が出てきました。自分の思いよりもなつが自分のために泣いて伝えてくれたこと。素直ななつがただただ可愛いと思ったと同時になつの持っている力強さを感じました。
実際にお芝居をして、すずちゃん演じるなつが言ってくれたとき、生で感じるのもまた違ったものがあったので、そんな雰囲気も伝わっているといいですね。

あの言葉は、お互いがお互いをよく知っていないと出ない言葉なので、それまで積み重ねた歴史を感じますし、あれだけで2人の関係性がわかるようなぐっとくる言葉でした。なつと夕見子の関係ってなかなかないなと思います。一緒に育つ中で本当の家族じゃないというところに寂しさを感じる瞬間がたくさんあるけれど、柴田家では、それがあるからこそ、生まれるものがたくさんありました。なつと夕見子は小さいころからずっと、血が繋がっていないからこそ大切にできる強い絆のある姉妹だなと思います。

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