インタビュー

岸川亜矢美役 山口智子さん インタビュー

キラキラ輝く夢に向かって行きましょうよ!

私の全ての人生の始まりが“朝ドラ”だった

『なつぞら』のオファーが来たとき、どんなことを思いましたか?

とてもうれしかったです。私の全ての人生の始まりが“朝ドラ”だったので、温かい安心感となつかしさでいっぱいになりました。(山口さんがヒロインを務めた『純ちゃんの応援歌』から)約30年ぶりですよ!人生のさまざまなときを経て、再び巡り会えたことがとても感慨深いです。

-----久しぶりに帰ってきた現場はどんな様子ですか?

今も変わらず、“朝ドラ”は「母」のような存在です。スタッフも出演者も毎日顔を合わせて、いろいろな話をしながら互いに力を出し合って、より良いものを目指して進んでいく。家族のような安心感と同時に、作品を大きく羽ばたかせるために、それぞれの役をまっとうする緊張感もあります。ときを経てお母さんの胸に抱かれながら、みんなでまた1つの家族を築けることがとてもうれしいです。

NHKでの撮影は久しぶりですが、独特の雰囲気がありますよね。長い歴史の時間が積み重なった重厚な空気が漂う神聖な “館”という感じ(笑)。
『純ちゃんの応援歌』でヒロインを演じたときの初々しい気持ちや、すべてに一生懸命だった自分の姿がよみがえってきて、つい怠けがちな今の自分を大反省しています(笑)。

「風車」のカウンターで歌ったり踊ったりしています。

岸川亜矢美をどのように演じようと思いますか?

亜矢美は元ダンサーで、踊ることでみんなを笑顔へと巻き込みながら、生きる喜びを生み出していく女性。彼女が踊っていた新宿の劇場「ムーランルージュ」が閉館した後は、今度はおでん店のカウンターが亜矢美にとっての人生のステージです。毎日を大切に、お客さんを楽しませることに誇りをもって、おでん店のカウンターで歌ったり踊ったりしています(笑)。「風車」には、個性的な人々が集まってきて、毎回カウンター越しにセリフを投げあいながら作るシーンは、緊張感あふれる楽しいチームプレーです。

-----『なつぞら』で届けたいことは?

「夢を追う」ことが『なつぞら』の一つのテーマですよね。漫画映画という夢を追うなつ(広瀬すず)の、東京の母のよう役目でもありますが、なつはともに夢を追いかける同志のような存在です。
思い描く夢に向かってゆくことは、人生を生きるための大きな力となります。私は子供のころからテレビが大好きで、テレビは夢や希望の宝庫でした。辛いことがあってもテレビを見て「あはは」と笑えば、「明日も頑張るぞ!」という力が湧いてきました。だから『なつぞら』を通して、夢を描いて進む人生のすてきさを、皆さんにお届けできたら幸せです。
みんなを笑顔でどんどん巻き込みながら、空に輝く星を見上げるように、キラキラ輝く夢と未来に向かっていきましょうよ!

この人、実際はどんな髪型なんだろう?

亜矢美さんの衣装のイメージは?

超ド派手ですよね(笑)。昔はスターダンサーだったので、いつファンに見られても夢を壊さないようにと、華やかで艶(あで)やかな見ているだけで楽しくなる服を着ています。ヘアースタイルも衣装によってさまざまなバリエーションを楽しんでいるので、「この人、実際はどんな髪型だろう?」と不思議になるような、実際の生活感を感じさせないユニークで無国籍なおしゃれです。
この時代の日本映画を見ると、女性たちがおしゃれに傾ける熱意と本気に圧倒されます。戦時中の抑圧から解き放たれ、「かけがえのない今というときを本気で生きなくては!」という気持ちが、おしゃれにも表れていたように思います。

-----「川村屋」に乗り込むシーンの衣装も帽子もすてきでした。

亜矢美にとって、今この一瞬こそが人生というステージの本番です。物語を演じるように、人生の色々な場面を意欲的に楽しんでいます。そのためには毎日纏(まと)う衣装も大切です。「川村屋」に乗り込んで行くシーンでは、強さと気品と情熱を秘めたココ・シャネルのようなスーツを用意していただきました。レトロな映画女優のようで、咲太郎(岡田将生)の起こした事件がもとで、光子(比嘉愛未)に仁義を通すシーンにぴったりでした。
「演じる」という魔法で、人生の苦難も喜びへと変えてゆく亜矢美には、超個性的な衣装が大きな力となっています。

亜矢美を演じることができて、とても光栄です。

ダンスのシーンもありますが、経験はあったのですか?

私は、生きる喜びを体で表現することに強い憧れがあります。実は20代のころにフラメンコを何年か勉強していたのですが、ある日突然、フラメンコへの反抗期に突入し(笑)、3年ほど前にまた練習を再開しました。偶然旅した南スペインで、子どもやおばちゃんたちが踊る暮らしの中に生きるフラメンコに出会い、「私が踊りたかったのは、やっぱりこれだった!」と大感激して、今はほとんど踊り漬けの日々を送っています。
今回、重ねてきた自分の人生と、生きる喜びを表現するダンスへの愛を重ね合わせて、亜矢美を演じることができて、とても光栄です。

----実際、咲太郎との出会いのダンスシーンを終えた感想は?

たくさんのエキストラの皆さんが観客席から見守る中、本当のライブステージのようなセットの舞台で、すてきな音楽とともに踊ることができて本当に楽しかったです。
舞台衣装の帽子に衣装さんが真紅の大きなバラを飾ってくださって、私と子ども時代の咲太郎がタップの音で心を交わし合うシーンでは、その帽子が二人を結ぶ大切な役割をしてくれます。まるで恋の始まりみたいな、すてきなシーンになったと思います。

BACK NUMBER インタビュー