インタビュー

語り 内村光良さん インタビュー

“語り”だから泣いちゃいけない

「声か!」って思いました(笑)。

今回のオファーを受けたときのご感想は?

意外で驚きましたね。「声か!」って思いました(笑)。僕、朝ドラが本当に好きでよく見ていました。小学生のころは『藍より青く(昭和47年)』や『鳩子の海(昭和49年)』を見てから登校するのが日課でした。最近では、『ゲゲゲの女房(平成22年)』で朝ドラの放送が8時台に変わってからは、欠かしていないですね。

『ごちそうさん(平成25年)』で、(原田)泰造がヒロイン・杏さんの父親役で出演したとき、「あいつが出るのに、なんで俺にオファーがこないんだ!」と思ったんですよ(笑)。今回やっときたと思ったら、まさかの“語り”で、本当に驚きました。
昨年末の『紅白歌合戦』の中で発表という珍しいパターンでしたが、とりあえずブーイングがなくてよかったです。拍手で迎えてもらえたので、頑張ろうと思いました。

(『まんぷく』の語りの)芦田愛菜ちゃんを研究しています。

実際に語りの録音をしてみていかがでしたか?(※この日が録音本番の初日でした)

“語り“は実は初めてで、緊張します。フーフーって深呼吸しながらやりました。作品に関わっていながら現場に行かないのも初めての経験なんです。いつもは現場の空気を吸って、共演者と仲良くなって一緒に作り上げていくので。
“語り“は俯瞰(ふかん)的な要素もあるし、独特な距離感もありますよね。物語を壊してもいけないし、一員として自分も一緒に作っている意識で臨まないと、完全な作品にならないと思っています。

(『まんぷく』の語りの)芦田愛菜ちゃんを研究しています。彼女の語りは何の違和感もない。うまい!だから、僕、本当に心配なんです!もう僕は、初日の放送時は、片隅で膝を抱えて電気消して震えています。

“語り”ですが、実はなつの戦死したお父さん

“語り=なつの父”ということで意識していることは?

“語り”ですが、実は僕はヒロイン・なつの戦死したお父さんでもあるので、なつを天から優しく見守っている目線にしています。
“語り”から父親と分かるようにしていくシーン(第9回)は難しかったです。“語り”だから泣いちゃいけないし、でも娘を思わなきゃいけない。泣きそうになりましたがそこはこらえました。子ども時代のなつは9歳ですが、うちの娘も9歳なんです。そこは切り離していますが、どうしても気持ちが出てきちゃうんですよね。あそこの語りは、かなり食いしばってやりました。

やめてよぉ〜草刈さん

“朝ドラ好き”の内村さんから見て今回の「なつぞら」は?

“奇をてらってない王道の物語”だと思います。朝から涙腺を刺激するシーンが多くて、でもくすっと笑えるシーンもたくさんあるから、ただ泣くだけのドラマじゃないんです。

とにかく、草刈(正雄)さんが演じる泰樹さんで泣いちゃう。最終的に草刈さんが全部持っていくじゃないですか。「やめてよぉ〜草刈さん」って思っています。
泰樹さんとなつ(粟野咲莉)のアイスクリームのシーン(第4回)はやばかった。“語り”の収録用の映像を自宅で見て、一人でウォンウォン泣いてしまいました。子役の子もめちゃめちゃ上手い。なんでこのタイミングで涙がでるの?天才かよ!って思いながら見ています。そういう映像を見て、 “語り”でブチ壊さないようにとしないと!とますます思っています。

-----ヒロイン・広瀬すずさんの印象は?

あの肝のすわり方はすごいですね。少々のことでは動じない大女優の風格がすでにあります。でも、『なつぞら』ではそれを捨て去っているのがすばらしいと思いました。あえて北海道の大地に暮らしている子になりきって、素顔の良さがすごく出ていますよね。
すずちゃんと紅白の司会を一緒にやってよかったです。舞台裏でもいっぱい話せて関係性ができたので、親心のような気持ちも生まれました。

『LIFE』で夢かなえてもいいんですもんね

まさか、今後『LIFE』で『なつぞら』とのコラボはありますか?

今回の作品は、僕が出ていますから。…あ、でもビジュアルは出ていないから『LIFE』で夢かなえてもいいんですもんね。僕が泰樹さんになれるんですし、上げ底の靴履いて泰樹さんになればいいんだもんね(笑)。でも、“語り”で本編に絡んでいるからやりにくいなぁ。

『ひよっこ』のときはひよこで出ましたし、『半分、青い。』は秋風先生でした。そうすると、やっぱ泰樹さんかなぁ。でもすごい失礼だなぁ。自分がブチ壊してどうすんだ!ってね。それで自分のナレーション入れて、「なつよ---」って言ってるんでしょ。あはははは(笑)。それは、各所におうかがい立てないとな。

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