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4期の課題は 仲川 げん 奈良市長に聞く

11日に投票が行われた奈良市長選挙で4回目の当選を果たした仲川げん市長にNHK奈良放送局のスタジオにお越しいただき、今後の市政運営などについて伺いました。(※内容は7月12日のインタビュー時点のものです。)

吉田 真人 アナウンサー:
改めて奈良市長選挙の結果をどう受け止めていますか。

仲川 げん 奈良市長:
今回コロナ禍の選挙ということで、私も初めての経験でした。多くの皆さん方が、いまコロナ禍でいろんな不安や困りごとを抱えているという状況のなかで、特にこの3期12年間の実績を踏まえながら、この1年間、皆さんと一緒にコロナと向き合ってきた、この1年間の取り組みが特に注目されたのかなと思っています。非常にやりにくい選挙であったのは間違いありませんが、選挙という行為を通して、街なかに出て行って、住民の皆さんとも色々な意見のやり取りをさせていただくことができたという意味では、非常によかったなと思います。

バルテンシュタイン 永岡 海 記者:
市民にインタビューするとコロナ対策を求める声が上がります。切り札のワクチン接種については、供給量が見通せない状況のなかどう取り組みますか。

仲川 げん 奈良市長:
市では市役所の集団接種、それからかかりつけ医での個別接種を合わせますと、1週間で2万回以上打てる体制はすでに用意しています。これ以外にも職種ごとの大規模接種など、いまもロートアリーナ奈良でやっておりますが、ありとあらゆる方策を組み合わせて、いかに接種回数を増やすか、いかに迅速化するかということをこれまでも取り組んでいます。
そういった意味では、場所も人も予算もこちらですべて用意していますので、ワクチンの供給だけが、唯一のネックという状況です。国から、これから先の見通しがなかなか立たないと聞いていますけれども、ワクチンさえ届けば、いくらでも加速化できる余地があるという状況ですので、引き続き県や国に対して、しっかりと1本でも多く供給いただけるよう働きかけたいと思っています。

バルテンシュタイン 永岡 海 記者:
そうした中、今月9日に荒井知事から、このような発言がありました。

荒井 正吾 奈良県知事:
“7月中に高齢者(への接種が)完了するというのは本当かなと
奈良市の接種率が上がれば奈良県の接種率も上がる
言い訳をしないでどんどん打ってほしい“

バルテンシュタイン 永岡 海 記者:
この発言をどのように受け止めますか。

仲川 げん 奈良市長:
基本的に、メディアもそうですが、国や県が接種の進捗状況を把握するのは、VRSという国のデータベースに入力されたものをベースにして比較していますので、実際に現場で接種した数とそのあとの事務作業で入力作業を終えた数というのはタイムラグが生じます。実際にきのうまでの段階で、約18万回接種がすでに終わっています。奈良市内の高齢者が約11万人ですので、接種率を考えても、かなり進捗としては進んでいるだろうと。そういったことを考えれば、基本的には希望される方の高齢者接種については7月中におおむねという意味では完了できると思います。

【VRS】
ワクチン接種記録システムのこと。
奈良県はこのシステムに入力された情報を元に、県内各市町村のワクチン接種状況(1回目・2回目)を公表している。

吉田 真人 アナウンサー:
新型コロナによる観光業界や飲食業界への打撃も深刻だと思いますが、経済の回復についてはどのように取り組みたいと考えていますか。

仲川 げん 奈良市長:
東京に4回目の緊急事態宣言が出されたことが、いわゆる第5波の入り口に相当するのではないかという議論がありますけれども、東京で起きたことはそのあと関西、そして奈良にくるという意味では、いま一番気を引き締めなければならないときだと思っています。そういった意味では、経済か感染対策かという2極対立的な話になりがちですけど、いまの段階としては積極的に外の人を呼び込むにはなかなか難しい段階だと思っています。いま現場を支えておられる事業者の方々に対する国等の支援をしっかりと手厚く保障していくと同時に、これからコロナで大きくビジネスモデルが変わる部分もあると思います。より滞在型、大量に人がきて短時間で帰るような観光ではなくて、いわゆる"密"に対して"疎"というか、もう少し人の数が少なくてゆったりした空間で滞在していただくような観光もおそらく志向としては高まってくると思います。そういった新しい観光の取り組みを市として積極的にバックアップしていって、それがゆくゆくはインバウンド向けの商品などにも、数年先にはつながっていけばいいのではないかと思います。

バルテンシュタイン 永岡 海 記者:
コロナ以外の市政の課題についても伺います。奈良市の財政は、指標によっては全国の中核市のなかでも最低水準にあり、改善、健全化の取り組みが必要だと思います。これについてはどのように取り組みますか。

仲川 げん 奈良市長:
財政の健全化を示す指標というのがいろいろありますが、われわれは将来の負担をいかに減らすかというのをいままで一番大事にしながらこの12年間やってきています。毎年毎年の予算や、資金繰り、財務指標については厳しい数字がでるかもしれないけれども、例えば土地開発公社の借金というのは、いままで利息だけ返して元金は全然返さずにずるずるとやってきました。これは奈良市の会計とは別会計になっていますので、ぱっと見たら奈良市の財政にはカウントされていない。けれどもこれも奈良市の借金の中にちゃんと組み込んで、そして計画的に償還をいま進めています。こうした償還をすれば、当然、いま公社だったら毎年11億円ほど償還していますので、その真水のお金がその分打撃を与えると。財務指標については悪化の要因になります。けれども、将来の負担を減らすということで、この間も、目の前の財政の厳しさよりも、将来の豊かさをとろうということで、責任のある財政ということでやってきています。
財政については、“出ずるを制す”というのももちろん大事ですけれども、“入りを計る”というのが今後は大きな課題になってきます。
団塊の世代を中心とした人口の多い世代の人たちがいま順次リタイアをされていっている状況で、個人市民税にいままでは大きく依存していましたけれども、今後は若い人たちが帰ってくる、働きたいと思えるような企業を市内に積極的に誘致をしていくと。いま企業誘致も非常に好調ですので、JRの新駅前のまちづくり等も含めて、働ける場所という意味での奈良市の産業基盤の整備に特に注力をしていきたいと思います。

【奈良市の財政状況】
令和元年度の自治体の”貯金残高”などに関する指標は県内ワースト2位。
将来の負債の大きさに関する指標「将来負担比率」も県内ワースト3位(全国60ある中核市でも最低の水準)。
県は去年、奈良市を含む5つの市と町に「重症警報」を出し、財政健全化の取り組みを促している。

4期の課題は 仲川 げん 奈良市長に聞く

バルテンシュタイン 永岡 海 記者:
長年市政の懸案だった火葬場についてもお伺いします。NHKが行った出口調査では、火葬場をめぐる市長の対応についての評価が二分されました。今後は用地取得をめぐる裁判で、最高裁の判決もでてくることになりますが、市民の納得・理解を得るためにはどう努力されますか。

仲川 げん 奈良市長:
この事業はそもそも用地を確保することができないということをもって昭和30年代から60年がかりで歴代市長がチャレンジはしながら、結果として先延ばしになっていた問題です。いまもオンブズマンの方から訴訟をいただいていますけれども、やはり市民の福祉の向上のために特定の政策目的を実行するために必要な用地買収というのは、やはり一定自治体の裁量としてやっていく必要があると思っています。
今回一番ポイントになっているのは、いわゆる民間の土地取引だけをベースにした鑑定会社の評価というものと、それから公共が土地を取得するというものが、ちょっと話がごちゃまぜになっています。本来、行政が土地を取得するときには、「近傍類地の価格を参考にして、適正価格で取得をする」と国が定めています。これ以外に、逆にいうと法律がないわけなんですよね。ですから「鑑定価格で買え」とはどこにも書いていない。「入札でなければ買えない」とも書いていない。あくまで「適正価格」という表現のなかに自治体の裁量権が認められています。これについては議会にも予算を諮り、議論をしていただいて、賛成多数で可決をいただく。市民の代表である市長と、市民の代表である議会がしっかりと万機公論に決して物事を進めているということですので、手続き的な瑕疵は全くないと考えています。
あとは、どこでもできる事業と、あとはここでしかできないという唯一性、それから事業の困難性、緊急性。特に今回は国の合併特例債を30億円見込んでいますので、真水で計算しても21億円くらいは特例債を使うかどうかによって奈良市の収入に大きく影響を与えます。そういった意味では、今回のスケジュールのなかで事業を進めるということが、結果として市民の財産や利益を守るという意味でとても重要な判断であったと思っています。このあたりの仕組みが、やはり選挙という世界になればポジショントークで政策論争される部分もありますので、きちんとした中身の議論を市民の皆さんにもさらにさせていただきたいと思っています。

【奈良市の火葬場問題】
奈良市の新火葬場(新斎苑)は現在、奈良市横井町で建設が進められている。
用地取得をめぐって、市民グループが「用地取得の価格が高すぎる」と市を提訴。1審の奈良地裁、2審の大阪高裁ともに奈良市は敗訴。特に2審では、奈良市に対し土地の鑑定価格と売買価格の差額分を市長と地権者に弁済させるよう命じる判決が出た。
奈良市は判決を不服として、最高裁に上告したが、今回立候補した新人は市長の対応を厳しく批判していた。

吉田 真人 アナウンサー:
最後に、次の4年の任期の抱負をお願いできますか。

仲川 げん 奈良市長:
まずはコロナとの戦いを市民の皆さんの気持ちをひとつにしてなんとか乗り切っていきたいと思います。やはり長引けば長引くほど心理的なダメージが高まってきてストレスもたまり、高齢者の方もストレスをかかえますので、気持ちをひとつにするのがすごく大事だと思っています。そういった意味では市民の気持ちを一丸として困難、難局を乗り越えていきたい。その先頭に立たせていただきたいという思いでございます。

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