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「にんしんSOS愛知」始まる

子どもたちや子育て中の皆さんを応援する「#わたしにできること〜未来へ1歩〜」。
いま、思いがけない妊娠に悩む人たちに向けて、「にんしんSOS」という相談窓口の設置が全国で進んでいます。
愛知県では、今年2月から相談が始まりました。
その取り組みを、村上裕子ディレクターが取材しました。

にんしんSOS愛知、相談スタート!

2月から「にんしんSOS」を始めた愛知県助産師会です。
助産師など専門知識を持つ相談員が、週に4日、電話やメールで対応します。

相談者の状況を丁寧に聞きとり、お産の兆候や頼れる人がいるか、といった情報をもとに、自治体の窓口や医療機関などにつなぎます。
助産師会の小島夕起子さんです。

「電話をかけてよかった、これで少しは見通しがたったというか、不安がちょっと減ったみたいな、またここにかければ一緒に考えてくれるみたいなそんな場になったらなというふうには思っています」。

課題は認知度

「にんしんSOS」は10年前から全国の都道府県や政令市で設置が進められていますが、まだ、あまり知られていないのが現実です。

利用した女性は・・・

数年前、三重県の「にんしんSOS」に相談し、無事に出産できたという女性です。
当時、交際している男性がいて、生理の遅れから妊娠を疑いましたが、経済的な事情もあり、病院にいくことをためらっていました。

「不安が結構大きくて。仕事で忙しい親にも、負担かけられないし、彼氏もまだ若いので、そこの不安というか、心配」。

次第にお腹も大きくなるなかで、親にも切り出せませんでしたが、にんしんSOSの存在を知り、はじめて相談することができました。

「誰かに相談できて、解決できるのかなっていうふうにちょっと思い始めたかなって感じです。正直、ひと安心」。

緊急性を判断して迅速な対応!

当時相談を受けた三重県の「にんしんSOS」の代表、松岡典子さんです。

すでに、妊娠後期の可能性が高いにも関わらず、一度も病院を受診していないことから、緊急性が高いと判断。

女性とともに、自治体の窓口を訪れて母子手帳を受け取り、医療機関を受診できるようにしました。
松岡さんは「受けとめることができないっていう女性たちも多いです。向き合わずに放置するっていうことは見られたりするんですね。

その時に適切に相談をすることであなたの安全と赤ちゃんの安全という2つのことを考えれる窓口の存在っていうのは必要だと思う」と話しています。

”もっと多くの人に知って欲しい”

女性は、妊娠の相談窓口をもっと多くの人に知ってほしいと願っています。
「病院とかいってなくて、トイレで産んじゃってとか、色々話聞いて。自分がなっていたらどうしようっていう恐怖でしかなかったです。そうやって支援してくれるって知らなかったので。

にんしんSOSをみんなが知れるように、もっと広めていかないといけないのかなと思っています」。

協力してくれる医療機関の開拓も

新たに「にんしんSOS」を立ち上げた愛知県助産師会では、協力してくれる医療機関の開拓にも力を入れています。

この日、訪れたのは愛知県内の産婦人科です。
今年から、18歳以下の女性を対象に、希望する場合、匿名での診察を受け付け、初診を無料にする取り組みを始めています。

案内してくれた副院長は「個室になっていてプライバシーが守られる相談室です」と部屋を紹介し、助産師会も「病院ぽい白い感じじゃなくて、落ち着いて居心地がいい」と病院の印象を話していました。

病院では、お金がなく、親にも相談しづらいという若い女性を支えるため「にんしんSOS」とも連携していくことにしています。

産院いしがせの森の佐藤匡昭院長は、次のように思いを語ってくれました。
「予期せぬ妊娠で、赤ちゃんはもちろんですけど、お母さんの人生を左右してしまう。それを少しでも減らす取り組み。多少なりともそこに貢献できればなというふうに思います」。
助産師会の小島夕起子さんは「にんしんSOS愛知」を困っている人に活用して欲しいと話します。

「その人が必要としている支援や福祉や情報をつないでいけたら。にんしんSOS愛知はじめるよっていう周知もまだまだ足りないので、皆さんに知っていただいて、ちょっと電話してみようって思ってくれる一つになったらなと思います」。

東海3県の窓口はこちら!

それぞれ相談時間などが異なるので、ホームページなどでご確認ください。

三重県では、県立高校生全員にカード配布!

こちらは、三重県が制作したカードです。
県内の公立高校の全生徒に、夏休み前に配っています。
学生に情報を届けるのは、民間団体だけでは難しいので行政が中心となって広めていって欲しいです。

取材を終えて

取材を通じて、若い世代に驚くほど正確な性の知識がないという声が多く聞かれました。
ネットなどから間違った知識を得ている子もいます。
性教育の中で、そもそも予期しない妊娠を避ける方法や、妊娠の不安を受けとめる窓口の存在を伝えていくことは、大人の責任だと感じました。

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