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コンビニにフードドライブ

子どもたちや子育て中の皆さんを応援する「#わたしにできること〜未来へ1歩〜」。子ども食堂などで、子どもたちに提供する食品は、主に自治体からの補助金や寄付などで賄われています。こうした食品を、地元の人たちから募る「フードドライブ」という取り組みが、愛知県日進市のコンビニエンスストアで始まりました。どんな取り組みなのか、NHK名古屋放送局の若林則康アナウンサーが取材しました。

食品を配布するNPO

食事を十分にとることが難しい子どもたちを支援する「子ども食堂」。

新型コロナウイルスの影響で、食堂の開催が難しい状況が続くなか、食品を直接配るかたちで取り組みが続けられています。
これまでこうした食品は、企業などからの寄付や自治体からの補助金などでまかなってきました。

それに代わっていま注目されているのが、地元の人から食品を募る「フードドライブ」と呼ばれる取り組みです。
フードドライブの「ドライブ」は「寄付」を意味します。

NPOなどが運営するフードバンクは、企業やスーパー、それに農家などから比較的、まとまった量の寄付を受けて保管します。

これに対してフードドライブは、地元の人を中心に比較的少量ずつ寄付を募るため、保管場所も小さくて済みます。
2020年12月6日の日曜日、愛知県日進市で、そのフードドライブの開所式が行われました。

場所は、24時間営業のコンビニエンスストア。

近所の人たちは、いつでも好きな時間に食品を持ち込むことが出来ます。

食品を寄付した人々

「こんにちは」。
「ありがとうございます」。

「これおいしい米10キロ」。
「あ、お米ですか?」。

開所から2時間で、用意された2つの容器があふれ出すほどになりました。

提案者の山崎正信さんです。
日進市でおよそ4年間、子ども食堂を運営してきた山崎さん。
コロナ禍で食品を直接配るようになってから、これまでのように食品の調達が続けられるかどうか不安を感じていました。
(いきいき塾NPO絆代表理事の山崎正信さん)「安定的に(子どもたちへの支援を)継続していくには、やっぱり個人のお力もお借りしないとですね、進めていくことは難しいだろうということで、食材を集めるために企画させていただきました」。
きっかけとなったのは、2020年10月にお米を寄付してくれた女性の言葉でした。

女性がお米を保管していた倉庫

愛知県犬山市に住むこの女性、お米をどこに持ち込めば必要としている人に届くのかがわからなかったといいます。

中村茂美さん「(どこに寄付すればいいか)全く分からないから、ずーっと置いてあったんですここに。

もう本当に悩んで悩んで、それで、最終的に勇気を出して犬山の市役所に電話しました」。
犬山市役所から中村さんを紹介された山崎さん。

誰もが気軽に食品を持ち込める場所があればと、思いついたのがコンビニエンスストアでした。
店側も、すぐに、このアイデアに賛同しました。

コンビニエンスストアの安藤祐美子店長「24時間やっておりますし、365日やっておりますので、気楽な形で寄付もしていただけたり、認知していただくきっかけになればいいなというふうに思っております」。

フードドライブで預かれるのは、常温で保存できる、賞味期限2か月以上の未開封の食品です。
また、コンビニで購入した物を託すことも出来ます。
預かった食品の量が、ある程度まとまったところで、山崎さんたちに取りに来てもらいます。
フードドライブの利用者「お米10キロとそれからお菓子です。どこに持ち込んでいいか分からないんですよね私たち。

近所にこうやって受けてくれる所があるっていうのは、ものすごくありがたいですね」。

「非常食で取得してた物がいっぱいになってきたので、それをフードロスをなくすっていう運動のためにこちらに持ってきた」。

「フルタイムで働いているから空いてる時間に持ち込めない。今回こちらでしていただけるっていうことなので、近くていつでも持ち込めるので便利かなと思いました」。

山崎さんは、子どもたちを支援する必要性について地元の人たちにさらに理解を深めてもらうきっかけになると期待しています。

山崎さん「この問題はね、ずーっとこれから厳しくなる一方でございますので、いろんな方に参加いただくってことは非常に大事なことだと思っております。必要な家庭にタイムリーにちゃんとお届けするっていうですね、この仕組みが出来ると、本当の意味があるわけですよね」。

取材を終えて

フードドライブには、継続的に食品が集まっているそうです。
中には、定期的に訪れてコンビニで購入した食品を託す地元の人や、口コミでその存在を知り、近隣の市や町から食品を持ってきてくれる人もいるそうです。
取材して感じたことは、きっかけさえあれば、善意の輪が広がってゆく可能性は大いにあるということです。
日進市のコンビニエンスストアでの試みは、軌道に乗りつつあります。第2、第3のフードドライブが、全国のほかの地域にも誕生するといいなと思います。
こうした活動の輪が広がるか注目です。

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