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里親として子どもを支える

NHK名古屋放送局が行っている子ども、子育てを応援するプロジェクト「#わたしにできること~未来へ1歩~」。

親の病気や育児放棄などで実の親と暮らせない子どもは東海3県で約3000人。
そうした子どもたちが家庭で暮らすための“里親”が足りていません。
里親に託された子どもはどのように家庭で過ごしているのか、名古屋市の里親家庭を訪ねました。

2歳の女の子を育てる里親の安藤さん夫妻

出迎えてくれたのは、里親の安藤恵介さんと預かっている子ども・のんちゃんです。

妻のふさ代さん、それに、安藤さん夫妻の実子で長女のはる菜さんも取材に同席してくれました。

きっかけは町内会長

安藤夫妻には、実の子どもが3人いますが、子育てが一段落した8年前に「里親」を始めました。

恵介さんが町内会長になり、地域にさまざまな環境の子どもがいることに気づいたのがきっかけだといいます。

安藤恵介さん「父子家庭の家だったりとか、母子家庭の家だったりとか、そういう家庭環境で一生懸命子育てにも悩みながら頑張っておられるお父さん・お母さん方がいたのでね、何か役に立てればなというのもひとつのきっかけです」。
その後、親と離れて、施設で暮らさざるを得ない子どもたちの存在を知り、里親になろうと決めました。

里親になるには?

里親になるには、まず地域の児童相談所に問い合わせを行い、「面接」を受ける必要があります。
「研修」を受講し、審議会の審査を受けて認定されると、里親として「登録」することができます。
安藤夫妻は、これまでに2人の小学生を預かってきました。

3人目に迎えたのが、のんちゃんです。
母親が病気のため、体調が落ち着つくまで、“期間限定”で預かっています。

のんちゃんは、生後半年で「はいはい」もできるようになりました。

安藤ふさ代さん「なんか“わが家に天使が来たな”みたいな、他人の子を育てるのに、大事なお子さんをお預かりして、本当にちゃんと育てられるのか、“命の重み”というか、それは感じます」。

はる菜さんと乾杯するのんちゃん「かんぱーい。ママ、ママ、ママ」。

“普通の家族”こそが大切

里親家庭に迎えられた子どもが体験するのは“ごく普通の家族の暮らし”。

一緒にご飯を食べたり、歯磨きをしたり、遊んだり。
“普通”だけど“愛情”をいっぱい注いでもらい、成長していきます。

実親との面会も

里親に子どもが委託されると、国からは「手当」や「養育費」が一定額、支給されます。
安藤夫妻はいま、児童相談所の指導のもと、定期的にのんちゃんと実の親との「面会」を行っています。

家族で再び暮らすための準備です。

安藤恵介さん「いずれね、実親さんに、実親さんがちゃんと住めれる環境が整った時には、“ああ、この里親さんに預けてよかったな”と思ってもらえるような、それが私たちの務めなのかなと思っています」。

実子にとっても学びの機会に

のんちゃんを迎えて2年。
実の子どもたちにとっても、大きな学びの機会になっています。

長女・はる菜さん「自分もそうやって親から愛情をたくさんもらいながら育ててもらったんだなと思うとその子たちが来てくれて改めて感じることができたなと思います」。

里親になってよかった

今も、施設にはたくさんの子どもたちが暮らしています。
普通の家庭だからこそ、里親にできることがあると夫妻は考えています。

ふさよさん「子どもの置き去りとか虐待とかのニュースを見る度に、家にいる子たちもね、一つ間違えたら同じことになっていたのかなと思うと、この子たちと出会えて里親としてよかったなといつも思っています」。

取材を終えて

里親家庭での「安心」で「濃密なコミュニケーション」の中で培われたのんちゃん(仮名・2歳)の言葉と表情の豊かさに驚かされました。
すべての子どもにこのような「家庭での暮らし」が提供されるように願ってやみません。

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