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“子ども食堂”支える運送のプロ

子どもや子育て中の皆さんを応援する「#わたしにできること〜未来へ1歩〜」。
今回は、先進的な取り組みで全国から注目を集めている、愛知県の「フードバンク」についてです。
子どもたちに無料や安い料金で食事を提供する子ども食堂に、企業などから寄付された食料を届けるために、運送のプロが支援に乗り出しているフードバンクを若林アナウンサーが取材しました。

再開した子ども食堂

名古屋市北区にあるこども食堂です。
2020年9月27日、およそ半年ぶりに再開しました。
コロナ対策のため、屋外で全員同じ方向を向いての食事です。

子どもたち
「久しぶりのここのカレーライス食べておいしい」

「友達と食べられるっていうのがこれ以上うれしいことはないと思います」

この子ども食堂を運営する、杉崎伊津子さんです。
5年前から子ども食堂を始め、名古屋市内の3か所で子どもたちに食事を提供してきました。
この日のメニューで使った肉は養豚などを営む企業から、野菜は青果の仲卸からの提供を受けるなど、自前で調達することを心がけていますが、継続していくうえで頼りにしているのが、食料を提供してくれるフードバンクです。

杉崎さん
「お米も無いし、お菓子類も無いしとか言っている時に、何か分けてもらえる物があるならということで、お願いしたりしている」

杉崎さんたち、子ども食堂に食料を提供しているのがNPOフードバンク愛知です。
企業などから寄付される食料を保管し、必要なだけ分けています。

フードバンクの活動に協力しているのが、 運送会社社長の寺田覚さんです。

子ども食堂は、フードバンクに食料を取りに行きます。
これまでフードバンクは、企業などから大量の食料提供があっても、運搬する手立てや資金がないため、せっかくの申し出を生かすことができないこともありました。
そこで、寺田さんは、経営する運送会社のトラックや倉庫を役立ててもらおうと考えたのです。

寺田さん
「NPOのお困り事というのは、物流ですよね。いわゆる物を運ぶことが困ってる。われわれ物流会社ですから非常に寄与できるなという風には考えました」

スーパーなどから寄付される食料は、消費期限が近づいた物などで、多い時には1回に10トン、トラック2台分にも及びます。
寺田さんは、荷物を運んだ後の空のトラックで寄付された食料を運ぶことを思いつきました。
食料を集める人件費や荷物を運ぶガソリン代は会社で負担します。
さらに食品を保管する倉庫もNPOに無償で提供。

倉庫には、大量の食品が保管できるので、子ども食堂にさまざまな種類の食料を欲しい時に欲しい分だけ提供できるようになりました。

寺田さん
「食品会社とわれわれと子ども食堂ネットワークとの連携というのはまさに非常にいいマッチングであるなと思います。本当にお困りのお子さんとか、そういったことに対してわれわれの活動が、支援になっているというのは実感しております。これ始めてから本当に忙しくてしょうがないですね」

取材後記

その後、フードバンクには、寺田さんの会社のほかにも協力してくれる運送会社が加わり、扱う食料の量も届け先も大幅に増えているそうです。
全国の企業から寄贈された食料は愛知、岐阜、三重の20か所ほどの一時保管所に配られ、それぞれの近くにある子ども食堂の役に立っています。
そして、こうしたノウハウを全国のNPOにも提供しているそうです。
また、このフードバンクでは、新型コロナウイルスの影響でアルバイトが減っている学生のために、支援の対象を高校生や大学生にまで広げようとしています。
学生をアルバイトとして雇用し、活動を手伝ってもらったり、農家と連携して新鮮な野菜を届ける仕組み作りも進める計画だということです。
一方、寄付する企業も増えていて、毎月およそ2トンの消費期限の近い食料を寄付している全国に店舗のあるスーパーは、「フードロス対策としてもこうした取り組みが全国で広がってほしい」と話しているということで、こうした輪が、もっともっと全国に広がる可能性を感じます。
紹介した「フードバンク愛知」では食料を寄付してくれる企業を募集しています。
詳しくは、電話0568-65-6650までお問い合わせください。

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