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お知らせ

令和元年度(第35回)NHK名古屋放送局 創作ラジオドラマ脚本募集 審査結果発表

NHK名古屋放送局主催の「創作ラジオドラマ 脚本募集」は、NHK名古屋開局60年記念事業として昭和60年に始まったもので、毎年100編を超える多くの応募作品をいただいています。
今回の応募総数は156編。年齢は20歳から72歳まで、北は北海道から南は宮崎県まで、幅広い年齢層と地域の方から応募を頂きました。誠にありがとうございます。その中から、第1次・第2次・最終審査と厳正な審査の結果、受賞作品が決定しました。最終審査には劇作家・佃典彦氏、作家・堀田あけみ氏、脚本家・宮村優子氏、劇作家・鹿目由紀氏にも加わっていただき、 NHK名古屋放送局のプロデューサー、ディレクターの計11名による審査の結果、最優秀賞1作、佳作2作を選出しました。
最優秀賞作品に選ばれた『幻想列車』は、「FMシアター」(NHK-FM)で全国放送の予定です。
今年度(令和二年度)も、応募されたことのない方はもちろん、今回、残念ながら選に洩れた方からのご応募を、審査員一同、心よりお待ちしています。


土屋祥子さん(最優秀賞)

道木友香理さん(佳作)

三井隆さん(佳作)


◇最優秀賞『幻想列車』 作・土屋祥子(東京都)

死出の旅を家電とともにするという設定のユニークさ、主人公と家電たちの話劇の楽しさに加え、その奥にある深いテーマ性や無理のない物語構成も評価され、最優秀賞に決定いたしました。


◇佳作『ワンさんは働き者』 作・三井隆(東京都)

突如ラーメン屋に現れた宇宙人との騒動のなかに、移民問題を扱ったテーマ性を織り込み、遊び心も入れながらテンポよく展開していく面白さが評価され、佳作に選出されました。


◇佳作『墓活!』 作・道木友香理(東京都)

誰もが体験するであろう、さりげない日常に根ざした設定や、会話のテンポの良さ、思わず笑ってしまうコメディ描写が評価されて、佳作に選出されました。


<最優秀賞『幻想列車』あらすじ>

悠平は、気づいたら列車の中におり、見知らぬ三人、光司、絵理、静稀に囲まれていた。何故自分がここにいるのか思い出せずに不安になる悠平。何故か自分のことをよく知っている三人を気味悪く思うが、実は三人は悠平の部屋の電化製品で、光司は冷蔵庫、絵理はテレビ、静稀は掃除機だった。三人は数か月前から悠平の様子がおかしくなっていったと話し、悠平も数か月前から始まった職場のいじめで疲れ果て、ついに大量の睡眠薬を飲んでしまったことを思い出す。この列車は銀河鉄道的なもので、死者の魂をあの世へと運ぶものだが、本来乗るべき友達が一人もいなかった悠平には、替りに電化製品が乗ってしまった。悠平は、血の繋がらない父親に疎まれていた過去があり、つい人の顔色を窺い機嫌をとる八方美人なところがあり、それがいじめに繋がったと話す。また憧れた女の先輩がいたが、男の先輩に嫌われたくなくて一緒に悪口を言ってしまった自分のことをダメな人間だと思い、終わりにできてよかったと話す。絵理は、テレビでやっていた物理の番組から人は孤独だけど引き合う力を持っていることを話し、人に嫌われることを恐れるより、好きな人を大切にすることを大事にすべきだったと話す・・・。


<『幻想列車』作・土屋祥子さん 受賞の言葉>

今回は自分の作品を選んでいただき、ありがとうございます。とても嬉しいです。受賞の連絡をいただいたときは「遅れてきたエイプリルフールかもしれない」と思うくらい、信じられない思いでした。
以前、あるコンクールの審査員の方に「あなたの作品は一般受けしないかもしれないけど、媚びずに自分を貫けば必ず見てくれている人はいるよ」と言っていただき、時々その言葉を思い出しては支えにしていました。このご時世、一人でいることが多く、なおのこと色々なものに支えられてきたなと感じます。たくさんの人に支えられてきました。そして、たくさんの電化製品にも支えられてきました。話し相手になってくれるテレビ、食材を守ってくれる冷蔵庫、清潔を保ってくれる掃除機に洗濯機など、私の一人暮らし生活をいつも守ってくれています。そのすべてに感謝したいと思います。本当にありがとうございました。


<過去の受賞者>

これまでに第3回入選受賞の木皿泉さんや第5回佳作受賞の水橋文美江さんといった、テレビドラマやラジオドラマの脚本家を輩出している。