#乳がんダイアリー 矢方美紀

◆がんの治療と妊よう性

15歳から39歳までの若いがん患者は、AYA世代と呼ばれています。Adolescent (思春期)、Young Adult(若年成人)の頭文字からとった呼び名で、年間およそ2万人が新たにがんと診断されています。進学・仕事・結婚・出産など若い世代ならではの悩みを抱えています。

「妊よう性」とは、妊娠する力妊娠させる力のことです。医療の進歩によって、AYA世代のがん患者も、がんを克服することができるようになってきています。しかし、抗がん剤や放射線などの治療によって、男女問わず「妊よう性」が低下する場合があります。

「妊よう性」の問題は、若いがん患者によって、大きな悩みの一つです。2017年に公表された厚生労働省研究班の調査*によると、がんを経験したAYA世代の悩みとして、3位に『不妊治療や生殖機能』が挙げられています。

がんを経験したAYA世代の悩み
1位 自分の将来 58%
2位 仕事 42%
3位 不妊治療や生殖機能 39%
4位 経済的なこと 32%
5位 後遺症・合併症のこと 30%

◆妊よう性の温存とは

将来子供を持つ可能性を残すため、治療を行う前に卵子や精子、受精卵、卵巣組織の凍結保存をすることを「妊よう性温存」といいます。まずは、命を守るためにがんの治療を受けることが大前提になるので、「妊よう性温存」が困難な場合もあります。

調査*によると、がんの治療の前に妊よう性温存する治療を受けていない人は73%に上りました。「がんの治療を遅らせたくなかった」、「自費のため費用が高額」などの理由からです。当事者にとって《妊よう性の温存を選択すること》が容易ではない現状が明らかになっています。

妊よう性を温存する治療を受けていない理由
1位 がんの治療を遅らせたくなかった
2位 子どもを持つことが考えられなかった
3位 子どもを持つことを希望していなかった
4位 自費のため費用が高額
5位 精子や卵子凍結などの選択肢を知らなかった
6位 生殖機能・妊よう性を温存するための治療施設が
どこにあるか分からなかった
*平成27-29年度厚生労働省科学研究
『総合的な思春期・若年成人(AYA)世代のがん対策のあり方に関する研究』

◆より詳しい情報を知りたい方は

◆AYA世代のがんについて:記事一覧

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2019年11月11日(月)
妊よう性について

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