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「合理的配慮」を考えよう

フジイのジッカン 2024年6月21日放送「東海ドまんなか!」より
  • 2024年06月21日

藤井彩子です❣️

「合理的配慮」って、聞いたことありますか? 


ことし4月1日、障害者差別解消法が改正され、 
障害のある人への適切な配慮が、すべての事業者に義務化されました。 
これを、合理的配慮と呼ぶんですって。 

 

合理的配慮って??? 


この写真を見てください。 


柵の向こうで3人が見たいイベントが開かれています。 
皆に同じ高さの踏み台が「平等に」ありますが 
これでは、左の2人はイベントが見えますが、右の人は見ることができません。 

条件は「平等」だけど、「不公平」な状態です。 
でも、こうしたらどうでしょう? 

 

身長に合わせて、踏み台を変えることで、皆「公平に」イベントを見ることができるようになりました。 

こうした「公平な」状態を話し合いによって作ることが「合理的配慮」なのです。 
 

では、たとえば、映画館で。喫茶店で。衣料品店で。 
具体的にどこまでの配慮が必要なのでしょうか? 

合理的配慮に詳しい、横浜国立大学 副学長 泉真由子さんにお聞きしたところ・・・ 

この事例にはこれ、といった「正解」はないのです。 
重要なのは、合意形成を前提とした建設的対話。
要望そのものを聞き入れることが難しかった場合
代替案や次善策を探ることが大切。
失敗を恐れず話し合いましょう!

とのこと。

ふむふむ。たいせつなのは対話!なんですね

また、「配慮」をすることで、これまで社会的な障壁に阻まれてできなかったことが可能になった人も! 

配達の仕事をしている鈴木新大(あらた)さん。 

これまで自転車を使っていましたが、 
歩合制のため、さらに多くの件数をこなしたい、遠くにも出かけたい、という思いから 
原付免許を取得しました。ただ、その際に・・・ 

筆記試験で、ある問題が。 
鈴木さんには、発達障害のひとつ、読み書き障害があり、 
問題文を読むのに時間がかかるほか、 
問題文を見てからマークシートに目を移すと、どこを見ていたかわからなくなってしまうのです。 
このこともあって、これまで試験に度々トライするも、筆記試験で不合格に。 

そこで、愛知県で初めてとなる「配慮」が! 
マークシートではなく、問題文に直接、○か×を書き込んで良いことにしたのです。 

その結果・・・ 

ヤッター!

見事、合格! 

鈴木さんは「仕事も楽しくなっているし、色んなとこに行けるし。楽しさが増えている」といいます。 

今後、同じような悩みを抱える人が試験で配慮してもらうにはどうしたらよいか 
愛知県警に伺いましたら 
「受験者から事前に電話等で相談を受け検討した上で決定をする」とのことでした。 

また、生まれつき全盲の窪田桃羽(ももは)さんは、 
大学入試で、大学側に点字の問題用紙を用意してもらうことで見事大学に合格! 
 

この大学始まって以来の全盲の学生となり 
中学校の英語教師になりたいという夢に、大きく一歩近づくことができました。 

二人の笑顔が眩しい!「配慮」が世界を広げてる!

健常者では気づけなかった新たな視点で新商品が開発されたり、ということも生まれています。 

たとえば、このノート。 

発達障害の人たち100人近くからのアンケートをもとに開発されました。 
寄せられたのは 
「白すぎると眩しく感じる」
「薄い色、淡い色がいい」 
「同じ罫線が連なっていると書いている場所を見失う」といったもの。 

それらを受けてできあがったのが、このノート。 

薄紫やクリーム色など淡い色調

 

太い罫線と細い罫線を交互にレイアウト

発達障害の人が集中できるノートになったのはもちろん 
健常者にもファンが増えているんです。 

愛用者の皆さん

これを使ったことで、これまでのノートでは無意識に我慢していたことに
気づかされたといいます。 

「不便だけど、まあしゃーないなと、妥協して使い続けていたと思う。 
 でも、それが気になっている人がいてこのノートが生まれた。
 使ってみたらめっちゃ使いやすい。」 
 

困っている人に「配慮」しようとしたら、今までなかった視点が生まれた!
それってみんなが嬉しいことですよね! 

他にも。 

片手で履けるよう工夫された靴下。

後ろにひっぱり上げる突起がついています。

車の音に気づきやすいように雨音を抑える傘。 

見た目もおしゃれ♪

布部分の上にメッシュ素材があって二重構造になっています。 
雨粒の勢いを抑えて、音を小さくします。 
視覚障害者と共に開発されました。

手が不自由な人にも使いやすいようにデザインされたハサミ。 

上から押さえて切るようになっています

この腕時計は、ふたが開いて、針を触ることで時刻を確認できます。 

視覚障害者の声をもとにデザインされました

いずれも、これまで世の中になかったものばかり。 
障害の有無にかかわらず「使ってみたい!」って思わせられますよね。 

いろんな人に使えるよう作られたものは「ユニバーサルデザイン」と呼ばれていましたが、 
障害のある方からの意見によって開発されたこれらは「インクルーシブデザイン」と呼ばれます。 

困っている人の声に耳を傾け、対話し、「配慮」することで 
みんなが暮らしやすい社会に近づいていけるんじゃないかな。 
そう感じた、今回の「東海ドまんなか!」でした。 

 

「インクルーシブ」覚えておきたい言葉!

  • 藤井彩子

    名古屋放送局アナウンサー

    藤井彩子

    東海ドまんなか!キャスター

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