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ハローネイバーズ “日本語の壁”超える授業

  • 2024年03月27日

今回の『ハロー!ネイバーズ!』は外国ルーツの子どもたちの授業についてです。
こうした子どもたちは日本語が十分わからないまま授業を受けなければいけないことがあるのですが、今、ある画期的な授業が始まっています。ナビゲーターのヴィトルさんが取材しました。

「母語」を生かし日本語を伸ばす新たな学び

この日訪れたのは、愛知県豊田市にある県立衣台高校です。
全校生徒のおよそ2割が外国ルーツで、その国は10ヶ国以上です。

この高校で、今年度から新たな学びの取り組みが始まりました。

この日行われていたのは作文の授業です。
書いたものを見てみると、ポルトガル語と日本語が混ざっています。

女子生徒

言葉を混ぜると文化も混ざっているという感じ。楽しいですね。

東京外国語大学 小島祥美 准教授

学校からの依頼を受けこの取り組みを始めた東京外国語大学の小島祥美准教授です。
これまで、外国ルーツの生徒の多くは、日本人の生徒と同じように、日本語中心の授業を受けてきました。
しかし、小島さんの授業では日本語と、家庭で使っている「母語」の両方を使って自由に表現してもらっています。

東京外国語大学 小島祥美 准教授
「『ミックスしたままでいいよ』と、彼らの今いる状況を認めてあげることによって、(持っている言語を)全部使っていいんだ!となって解放され、自分が出てきます。そのときに言葉は育っていくのです。」

小島さんが高校でこうした授業を始めたきっかけは、岐阜県可児市で外国籍の子どもの教育に関わったことでした。

日本語がわからない子どもたちを「母語」での授業などで支え、学校に来ない子どもをゼロにしたのです。
しかし、高校に進学後、日本語中心の授業についていけず、辞めてしまう生徒が多かったといいます。

東京外国語大学 小島祥美 准教授
「日本語ができないと授業に参加できないと思われている先生が多いようです。すると漢字やプリント学習ばっかりをすることが多くなって。
単位習得が出来ない人たちは退学させられてしまうような場面が多くなって、ドロップアウトする子たちが多かったという状況だった。」

母語で考え 学習意欲もアップ

母語で考え表現することは学ぶ意欲にもつながっています。

この生徒はメモをポルトガル語で書き始めました。

男子生徒

アイデアとかを作るときはポルトガル語だから、最初はポルトガル語で書くとやりやすい。

「頑張って日本語で書きたい」と最終的には日本語で作文を仕上げました。

東京外国語大学 小島祥美 准教授
「作文は日本語で書きたいと言うんですよ。『なんで?』って聞いたら『日本の先生達に読んで欲しいから』と。やはり伝えたい相手が見えてくるとそこで日本語にスイッチするんですね。その時に彼らたちの日本語の言葉が出てくるし、日本語の言葉も一緒に育つのです。」

さらにユニークな取り組みも

さらに、別の高校ではこんな取り組みも行っています。

写真提供 岐阜県立東濃高校

「ラップ」のリズムに乗せ身近な話題や日々感じることを日本語で表現します。

東京外国語大学 小島祥美 准教授
「きれいな日本語じゃないといけないと思う部分があるけれども、ラップってそこをもっと飛び越えるじゃないですか。
自分の思いを叫びたい時に言葉が出なかった。だからもっと自分たち、勉強したい。もっと日本の中での言葉を知ろう。そうすると次からの学習態度が変わってきます。」

「書くことは楽しい?」と聞いてみたらこんなポーズで答えてくれました。

東京外国語大学 小島祥美 准教授
「違うからおもしろいわけで、みんな異なるから楽しいわけで、みんな同じだったら全然おもしろくないですよね。個性の開花っていうのかな?個が認められる社会になってくることが多分みんなが生きやすい社会になっていくのかな。」

取材を終えて ナビゲーター:ヴィトルさん

私も日本語ができないという理由だけで頭が悪いとか何も考えていないと言われて、自分は何もできない人なんだと自信を無くしてしまった経験がありました。
日本語が出来なくても実はすごく可能性に溢れている人はたくさんいるので、言葉の壁を飛び越えてその人の可能性も見てほしいなと思います。

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