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サウナでショー!? アウフグース世界制覇への道

  • 2023年11月02日

サウナ室内で気持ちよく汗を流すサービスの“熱波”。
今、さらなる進化を遂げたサービスがあるんです。
その名も「ショーアウフグース」。
実は、9月に行われた世界大会で優勝を果たしたチームが名古屋にいるんです。
世界一に輝いた二人に密着し、知られざる“熱き”戦いに迫ります。
(NHK名古屋 ディレクター 望月泰次)

五感で体験する 「ショーアウフグース」の世界

「アウフグース」とはドイツ式のサウナの楽しみ方で、熱したサウナストーンに水やアロマ水をかけ蒸気を発生させ、その蒸気をタオルなどでかくはんする行為のことを指します。

ここに物語性のある劇を加えたものがショーアウフグース。
お客さんは熱い風とアロマの風を受けながら、15分ほどのショーを鑑賞します。
音楽はもとより、照明、アロマによる香り、そして熱い風と、五感で体験する新感覚のエンターテインメントです。

日本で行われるショーアウフグースの多くは、施設の館内着を着て男女一緒に楽しめます。
サウナは男性が好むイメージがありますが、幅広い年齢層の女性にも人気です。
あるお客さんは、
「劇の感情の波と熱さの波がリンクしている」
と話していました。

ショーアウフグースで世界へ!

このショーアウフグース、実は世界大会が開催されており、今年は15か国が参加しました。
その大会に挑んだのが、名古屋市のサウナ施設で働く黒川優磨さんと佐野まゆ香さんの二人。

元々熱波師だった黒川さん。お店ではお客さんひとりひとりに熱い風を送るシンプルな熱波サービスをしていました。

アウフグースに出会ったのは、3年前。
海外のアウフグースの動画を見て衝撃を受けたそうです。
「これまで自分がしていた熱波が、ただ熱さを求めるスピードスケートだとしたら、アウフグースは芸術的な技を繰り出し表現するフィギュアスケート。」

「俺が一番はじめにこれをやりたい」。
黒川さんはそう思い、佐野さんを誘いました。

以前は人前でパフォーマンスをする仕事をしていた佐野さん。

コロナの影響で離職後、サウナ業界で働き始めたばかり。
タオルを振るところから練習を始めました。

世界大会直前、2人は本番で使われるサウナ室の大きさを再現し、動きの調整を行いました。
大会ではタオルを扱うテクニックやチームワークが評価されます。
二人の課題は「動きのシンクロ」。

世界大会直前まで、2人はあえてお互いを見ず曲の音だけを頼りに振り付けをすることで、動きをシンクロさせる練習をしていました。

ついに本番 二人の練習の成果は・・・!

今年の世界大会は、ドイツ・ベルリンの郊外で行われました。
二人が作り上げた演目は、戦時中の男女を描いた物語。

練習してきたシンクロの場面では・・・?

見事、成功!海外のお客さんからも歓声が上がります。

演目中盤。
黒川さん演じる男性が戦地で戦う場面では、得意の力強い風を送り、戦場の激しさを表現。

そこから佐野さんにタオルが渡ると、今度は反対に優しい風で、男性を待つ女性の儚い心境を表現しました。

そしてついに結果発表の時が訪れます。
結果は・・・

なんと優勝!もちろん、日本人初の快挙です!

優勝直後に話を聞くと、二人はまだ優勝が信じられないといった様子。
それでも、海外の人たちから自分たちの演目に対する感想を聞き、本当にうれしかったと話していました。

二人は今後、後輩にその技術を継承し、アウフグースを広めていきたいと意気込んでいます。
これから日本のアウフグースはどのように盛り上がっていくのでしょうか。目が離せません!

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