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名古屋にき○ね? 街なかの野生動物を追え!

  • 2023年09月29日

マチコエ調査班に寄せられた疑問は「街なかで犬や猫、鳥以外の動物を見ないのはなぜ?」。

たしかに、世界にはたくさんの動物がいるのに、ふだん生活していて見かける動物は、かなり少ない印象。

名古屋には限られた動物しかいないのか。実はどこかにひっそりと隠れているのではないか。今回は大学教授と共に街なかの野生動物を徹底調査!夜間撮影ができる「カメラトラップ」に写った生き物とは?
(NHK名古屋 記者 山野瞭太)

まずは自力で探してみた

街なかには野生動物がいない?
まずは自分の目で確かめに行きました。

名古屋市中区の白川公園でさがしてみると…

散歩中の犬
カラスに…
ハト!

1時間探し回りましたが、やはりここまでのようです。

街の人にも聞いてみます。
「名古屋の街なかで、どんな動物を見ますか?」

猫ですかね。

うーん。ハト!

アヒル~!

結果は、こんな感じに。

うーん。同じような結果です。

意外といる! 名古屋の動物

やはり、街なかには限られた動物しかいないのか?

続いて訪れたのは、名古屋市の動物について調査をしている「なごや生物多様性センター」。 

担当の曽根さんに聞いてみました。

なごや生物多様性センター 曽根啓子さん
記者

街なかでは、限られた動物しか見られないのでしょうか?

曽根さん

見られないというよりも、実はいるんだけど気づいていないということが多いと思います。また、動物の多くが夜行性ということも、人目に付きにくい理由としてはありますね。

ずらりと並んだ動物の剥製
左から、たぬき、ハクビシン、アライグマ

曽根さんによると、たぬきやハクビシン、アライグマ、シベリアイタチ、ヌートリアなどは名古屋市の全域で生息が確認されているそうです。

曽根さん

例えばたぬきは緑地公園や河川敷、名古屋城のお堀にも生息している、身近な生きものなんですよ。

多様性センターの調査では、捕獲されたたぬきの胃の中から、白身魚のフライが出てきたこともあるそう。

けっこう、人の生活にも依存して暮らしているんだとか。

あの動物が名古屋に?

中でも最近、目撃情報が増えている動物がいるそうです。
その動物とは…

画像提供 なごや生物多様性センター

そう、きつねです。

曽根さんによると、もともときつねは主に守山区で生息が確認されていたそうですが、ここ数年は住宅地などでもきつねの目撃が相次ぎ、今では市内の広範囲で確認されているそうです。

曽根さん

防犯カメラや大型商業施設の駐車場で目撃されることが多いですね。
ここ1、2年で特に目撃情報が増えました。

去年の4月ごろ、実際にきつねを見たという人にも会うことができました。

名古屋市中川区 前田速念寺 
住職 前田建祐さん
前田さん

まだ涼しい頃合いでしたが、寺の石垣の上でひなたぼっこをして、のんびりしておりました。
しばらくじーっとしておったら、きびすをくるりと返して、尻尾がふわりとたなびいておりました。ふわふわもふもふしていて、かわいかったです。

これが、そのときに撮影したという写真。

石垣の上でひなたぼっこをしている

住職がこのあたりできつねを見たのは初めてのこと。
このときは、1か月の間に3回も、きつねがやってきたそうです。

きつねの大移動? 名古屋のきつねはどこから?

なぜ、名古屋できつねの目撃が増えているのか。

話を聞いたのは、日本福祉大学で生物の生態を研究する福田教授。

日本福祉大学 福田秀志教授
記者

名古屋できつねの目撃情報が増えているのはなぜですか?

福田教授

知多半島のきつねが、名古屋までやってきた可能性がありますね。

福田教授によると、きつねは縄張り意識が強く、1家族ごとに縄張りを持っているということです。

近年は、きつねが多く生息する知多半島内で縄張りが埋まり始めているため、繁殖期を迎えた若いきつねが新たな出会いを求めて名古屋にまで移動してきていると考えられるそうです。

また、きつねの住みかについて、こんな情報も…

日本福祉大学 福田秀志教授
「きつねは森の深いところではなく、森の中でも街や道路に近い周縁部にいることがわかっています。 人の出したゴミを食べることができたり、道路を使って効率的に長距離を移動することができるなど、人間に近い環境に生息することはメリットがあるんです。なので、名古屋市内の小さな公園の中にも生息している可能性はあります」

野生動物の撮影に挑戦!

ここまで聞いたら、実際にきつねを見たい…。
ということで、福田教授の全面協力のもと、撮影に挑戦です。

中村区 中村公園

使うのはこの「カメラトラップ」。

動物の動きを赤外線で感知すると、自動で撮影を開始。
夜間でも生き物の姿をとらえることが可能です。

この調査方法では、きつねのほか、たぬきやアライグマなどさまざまな野生動物が写る可能性があるということで、期待感も高まります

名古屋市内にある中村公園と徳川園で、動物が集まりやすい水辺の近くや、獣道になっていそうな場所に計5台を設置しました。

そして10日後…

回収されたカメラに写った映像を確認するため、再び福田研究室を訪れました。

映像を見ずに待ってくれていた福田教授
福田教授

何が写っているのか。この瞬間が一番わくわくしますね。

果たして、カメラに写っていたのは…

猫…
そして、ハト

以上。

福田教授

残念ながら、今回は哺乳類は猫だけということで…
カメラの設置期間を伸ばせば他にも動物が写るかもしれませんが、結果は結果です。

ということで…こちらが、福田教授が過去の調査で名古屋市内の大高緑地で撮影に成功した動物です。

フェンスの下をくぐるきつね
画像提供 日本福祉大学 福田研究室
カメラに気づいたたぬき
画像提供 日本福祉大学 福田研究室

きつねだけでなくたぬきも!
ほかにもアライグマやハクビシンなど、多くの動物が写っていたそうです。

自力では撮影できず悔しいですが、今回の取材で、街なかにはふだんは気づかなくても、さまざまな生き物が生息していることがわかりました。

調査中には猫にも出会えました

おわりに 野生動物には注意も

街なかの野生動物、かわいらしさもある一方で、人の生活に悪影響を与える動物もいます。

なごや生物多様性センターによると、アライグマやハクビシン、イタチは住宅に住み着いて建物をあらしたり、ヌートリアは農業被害をもたらす害獣として知られています。

中川区の住宅街に現れたアライグマ
画像提供 なごや生物多様性センター
西区の公園の池で泳ぐヌートリア
画像提供 なごや生物多様性センター

また、野生動物は人やペットにうつる病気を持っていたり、噛みつかれてけがをすることも…
見かけても、むやみに近づいたり餌を与えたりしないように注意しましょう。

みなさんの“マチコエ”募集中!

NHK名古屋「マチコエ」では、みなさんの疑問を投稿フォームで募集しています。 
「これってどうして?」「調べてほしい!」という疑問がありましたら、ぜひ声をお寄せください。あなたの「マチ」のあなたの「コエ」が取材のスタートです。

  • 山野瞭太

    NHK名古屋 記者

    山野瞭太

    2023年入局。
    北海道の大学に通っていたのでキタキツネはよく見ました。

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