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NHKアナウンサーの防災授業 命を守る呼びかけ

「命を守る呼びかけ」とは
  • 2023年07月21日

アナウンサーの田中逸人です。
皆さんは、災害時に家族や近所の人へ避難を呼びかけたことはありますか?
実はその行動、とっても大切なんです。

NHKが行った調査で、避難行動を後押しすることとして多くの方が挙げたのが「消防団」や「家族や知人」など ”身近な人” の呼びかけでした。

より多くの人が呼びかけをするようになってほしい。そう考えた私たちNHKのアナウンサーは、専門家の監修のもと、各地の学校で出前授業を開くことにしました。

今回お邪魔したのは、名古屋市天白区の御幸山(みゆきやま)中学校です。

学校自体は高台にありますが、生徒たちの住む地域には大雨による浸水が想定されている場所もあり、2000年9月の東海豪雨では実際に浸水したところもあります。

授業では、浸水するとどうなるかをCGで再現した映像を見てもらいました。撮影したのは校区の一部、元八事付近です。1mの浸水を再現しました。

その上で、災害時に身近な人に避難を促すにはどのような呼びかけが良いか、考えてもらいました。

例えば、自分の家の周りでは雨はそれほど強くないものの、友達の家の周りでは大雨に。そんな時にどのようなメッセージを送りますか?

早速挙がったのが「友達の代わりに雨の状況や浸水想定、避難場所などを調べてあげて、その情報を伝える」という答えでした。確かに、相手には調べる余裕がないかもしれませんよね。

呼びかけをする際に大切な要素がここにあります。
『正確な情報を伝える』ということです。単に「避難しよう」だけではなく、相手が適切に判断できるような情報を伝えることが大切です。

こんな答えもありました。

「私はあなたが大好きだから、避難してほしい」
「メッセージだけではなく、電話をして逃げてほしいと伝える」

どうでしょうか。避難しようという気持ちが強くなりませんか?

人を動かすには、情報だけでなく相手に自分の『気持ちを伝える』ことも大切な要素だと感じました。

それでも動かない人にはどうしたらいいでしょうか。
そこで大切なのが『興味のない人を振り向かせる』工夫です。

両親を「好きな食べ物をあげるから」と誘うだとか、災害が発生する前に「あのお店に行こう」と誘って、ついでに避難経路を確認するなど、ストレートに避難や備えを促すのではない呼びかけも考えてくれました。

実際の災害時に、こうして避難を促すことに成功したという例もあります。どう呼びかければ大切な人を守れるか。皆さんもぜひ、挑戦してみてください。

授業のあと、生徒たちは自分たちで考えた「防災川柳」を作り、校内に貼り出しました。呼びかけを考えることを通して、災害に備える意識が変わったそうです。

私たちはこれからも皆さんと一緒に考える機会を作っていきたいと思います。御幸山中学校の皆さん、本当にありがとうございました。

  • 田中逸人

    アナウンサー/気象予報士

    田中逸人

    高知放送局などを経て18年春から名古屋放送局へ

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