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自然と歴史の融合、熊野を撮る!

  • 2023年07月13日

中部地方の大自然を4Kカメラで描く「中部ネイチャーシリーズ」は今年で放送10周年!
夏の第1弾の舞台は三重・熊野、世界遺産である「熊野古道」伊勢路。「BOYS AND MEN」の本田剛文さんが旅人となり、人々の崇敬を集めた熊野の自然を体感します。
地元出身で、番組を担当した永井隆光カメラマンが、ドローンやシーカヤックを駆使した撮影の舞台裏と、見どころをお伝えします!

<放送予定>

中部ネイチャーシリーズ「熊野」

前編:7月22日(土)

後編:7月23日(日)

【総合】午後6:05(東海4県)

故郷の自然を知ってもらいたい

私は三重県尾鷲市で生まれ育ちました。
幼少期の夏には銚子川で泳ぎ、放課後は熊野古道を走り回って過ごしていました。
10代後半から故郷を離れてしまいましたが、離れてみることでその自然環境のすばらしさに気付き、3年前にNHK名古屋局に赴任することを機に番組として提案しました。

銚子川と馬越峠(熊野古道)

取材を進めていくと、子どもの頃に見ていた川の中の光景や生き物、摘み取って細工しおもちゃにしていたシダ植物、踏みしめていた石畳が、科学的・歴史的に貴重な存在であり、それらが奇跡的に残されている場所であることを知りました。

熊野古道の石畳

自然番組を制作する難しさ

自然番組を制作するうえで、頭を悩ませることが気象条件です。陽の光、風、波などさまざまな自然現象が撮影の進行を妨げます。特に問題になるのが雨です。しかも今回の舞台である南紀州は、日本有数の豪雨地帯で、雨は避けられません。しかし、今回の番組において雨は重要な要素となります。雨がもたらす大量の水が豊かな森、澄んだ川を創り、栄養を海に運んでくれます。大雨による被害を防ぐために人は堅ろうな石垣を作ってきました。撮影するには厳しい環境でしたが、しっとりとした映像美で一つ一つ撮り重ねていきました。

松本峠の石畳

熊野古道から海へ

また、陸上だけではなく海にも飛び出し、荒波が創り上げた芸術的な岩の造形から海中まで、南紀州の自然を余すことなく紹介していきます。
旅人がシーカヤックに乗り込み、海岸線を旅する様子を船で追いかけて撮影しましたが、船上で重いカメラを担ぎ、体を安定させるためにかなりの体力を使います。機材に波しぶきが掛からないよう細心の注意も必要です。船頭さんと息を合わせた共同作業になるため、綿密な打ち合わせが必要です。苦労が絶えません。
そのようななかで撮影に成功した岩の造形美を堪能してください。

熊野灘の海食洞穴
熊野の海に飛び込む潜水カメラマンとミノカサゴ

4Kカメラで美しい映像を

BS4Kでも放送されるため、さまざまな4Kカメラを駆使し、それぞれのカメラの特性を活かした高精細・高画質に拘った撮影を実施しました。メインカメラは背景のボケ具合が美しく、高精細な映像の収録が可能な大判イメージセンサーを搭載したカメラを使用、熊野古道の峠では軽量で機動力のある一眼レフカメラ、川の中やシーカヤックに乗った旅人目線の撮影には超小型の防水カメラを使用しました。春の新緑、熊野灘の青い海、石畳や海岸線の岩の造形美を臨場感のある鮮やかな色彩で表現しました。また各所でドローン(無人航空機)による撮影を実施しました。これまでに見たことのない視点から望む大迫力の映像をお届けします。悠久の大自然を楽しんでください。

多島海(熊野灘)

この地を訪ねたことのない方は一度訪ねたい、訪れたことのある方はもう一度訪ねたい、そう思って頂ければ幸いです。

大丹倉からの眺望(熊野市)

NHKプラスでも見逃し配信予定です。
番組HPはこちら

  • 永井隆光

    名古屋放送局 コンテンツセンター コンテンツ技術

    永井隆光

    平成7年入局 三重県尾鷲市出身
    初任地は東京の撮影部で主に自然番組の撮影を担当しました。現在は「まるっと!」の中継やドキュメンタリー、自然番組など、幅広いジャンルで撮影を担当しています。

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