どうする家康で話題!鳥居強右衛門 愛される新城市のヒーロー
- 2023年06月07日
大河ドラマ「どうする家康」第21回「長篠を救え!」で、武田軍に包囲され落城寸前の長篠城から、援軍を求め岡崎城に向かった鳥居強右衛門(とりいすねえもん)。城に戻る途中、敵の手に落ちながらも、命を顧みず味方を鼓舞しました。
その鳥居強右衛門は、450年近くたった今も、地元・新城市で深く愛される存在です。そして、大河ドラマをきっかけに新たな魅力作りも行われています。
新城市のスーパーヒーロー 鳥居強右衛門
鳥居強右衛門が、はりつけになった場所にほど近い新昌寺(しんしょうじ)です。
ここに強右衛門の墓があります。
石碑には「鳥居権現」の文字があり、強右衛門は神様としてまつられています。
新昌寺 岡村将志 住職
「地元にとっては英雄、その時代にとっては、もう忠義の人。この地域の人にとってスーパーヒーローであったということは間違いありません」
地元の鳳来中部小学校では「長篠合戦の歌」が歌われています。
「長篠合戦の歌」には、強右衛門の勇気が多くの人の心を打ったことや、戦国の舞台で活躍したことが歌詞に書かれています。
子どもたちは、地域の歴史を学ぶ一環で強右衛門について学び、観光ガイドもつとめます。
「みんなのことを守った、すごい勇気ある人だと思う」
「長篠城のすごい英雄だと思います。これからも強右衛門のことを語り継いでいきたい」
新城市には、 あちらこちらに強右衛門が根づいています。
地酒の「強右衛門」、ラベルには援軍を求め城を抜け出る時の川を渡る姿が描かれています。
和菓子店には「強右衛門駆ける!」と名づけたどらやき。
さらにJR飯田線の駅の名前も「鳥居」。強右衛門にちなんだものです。
「どうする家康」をきっかけに始まった新たな取り組み
長篠城では「どうする家康」をきっかけに、新たな取り組みも行われました。
強右衛門がはりつけにされたという場所は、長篠城からは川を挟んだ対岸にあり、木の陰になってこれまで見えませんでした。そこで地元の人や観光協会が協力して木を伐採したり、枝をはらったりして、対岸が見えるようにしました。
「すばらしいです。距離感が実際に分かって」
「ここで歴史が変わったんだなという気がします」
地元の歴史に詳しい専門家も、強右衛門を身近に感じられるのではと期待します。
新城市長篠城址史跡保存館 湯浅大司 館長
「こちらを守っている人たちからすれば、自分たちを守るために鳥居強右衛門が自分の命を犠牲にした、これは自分たちももっと頑張らないと、と士気が高まったと思います。実際にはりつけになった場所が見えるというのは、すごく意義があると思います」
長篠城にある博物館では今、強右衛門がはりつけにされた姿を描いた絵が特別に展示されています。
この絵は、敵の武田方の家臣が戦場で背中につける旗にするため書かせたと伝えられています。
新城市長篠城址史跡保存館 湯浅大司 館長
「敵である人が、鳥居強右衛門の生きざまを見てすごく感動というか衝撃を受けたと思います。生きざまというのが、この絵1枚あることによって、私たちが知るっていう大きなところにつながってくるんだろうなと思います」
大河ドラマをきっかけに新たなお土産も生まれています。
家康ゆかりの鳳来山東照宮の近くにある土産店で売られているのは、強右衛門が描かれたトートバック。
頑張る人を応援したいと作られた占いグッズも。
土産物店の店長 井出村仁美さん
「命をかけてみようとか、これ見たらもうちょっと頑張らないといけないと思う人がいたらいいなと思う。私にとってスーパーヒーローをより多くの人に知ってもらいたい、このグッズがこの地域の活性化になればと思っています。おいでん新城市!(おいでよ新城市に)」