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名古屋に根づく駄菓子

  • 2023年06月15日

「東海すごいぜ!」、今回は駄菓子についてご紹介します。
名古屋市西区の「明道町」と呼ばれる地域は、多くの菓子メーカーや菓子問屋が集まり、“駄菓子のまち”といわれています。
名古屋の駄菓子の歴史や、新商品開発のために試行錯誤を続ける駄菓子メーカーを取材しました。
(NHK名古屋 リポーター 浦野莉恵)

菓子メーカー・菓子問屋が集まる名古屋市

名古屋市西区にある菓子問屋です。
店内に所狭しと並べられた、駄菓子の数々。
ラムネや、風船ガム、こんにゃくゼリーなど、数十円で買える全国でも人気の駄菓子が名古屋のメーカーで作られています。

菓子問屋たつや 近藤雅彦店主
「中部地方は駄菓子のメーカーは多いですね。地元のお菓子は昔から、子どもの時から定番商品なので人気があります」

おととし1年間の菓子商品の販売額です。
愛知県は2位にランクイン。
菓子メーカーから数人規模の和菓子店までおよそ500の店がある菓子産業が盛んなすごい!地域です。

中でも名古屋市西区の「明道町」と呼ばれる地域は、メーカーや菓子問屋が立ち並ぶ、“駄菓子のまち”!
問屋には業者だけでなく、地元のお客さんが直接買いに来るほど身近な場所です。

お客さん
「こどもの好きな駄菓子をいっぱい買いに来ました。子どものころからずっとここに来ている」

お客さん
「駄菓子が身近にあるのが当たり前で育っている。意外に名古屋にはいろいろな駄菓子メーカーがあるんだなって思いました」

“駄菓子文化”のはじまりは江戸時代!?

では名古屋の駄菓子は、いつから作られ始めたのか。
愛知のお菓子の歴史に詳しい老舗豆菓子店の福谷正男さん(78)に話を聞きました。
名古屋の“駄菓子文化”の始まりは諸説ありますが、福谷さんによると江戸時代までさかのぼるということです。

豆福 福谷正男会長
「名古屋城を造るにあたって、全国からたくさんの働く人たちが来た。そういう人たちにおやつを供給するためにお菓子屋さんがたくさん生まれたと聞いています」

名古屋のシンボル、名古屋城。
この築城の際、働く人たちに安くておいしいお菓子を食べてもらったのが始まりだといいます。

また名古屋の駄菓子が大きく広まったのは、関東大震災の時。
被災地にたくさんの駄菓子を届けたことが、全国で名古屋の駄菓子が食べられるようになったきっかけだそうです。

さらに駄菓子の広がった背景には、菓子問屋の力が大きく影響していたといいます。

豆福 福谷正男会長
「名古屋はメーカーが営業網を持たなくても、問屋の営業マンがそのお菓子の見本を持って地方へ行って売ってきて代金の回収もしてくる。うまくメーカーと問屋の機能がかみ合って、お菓子が発展して、名古屋のお菓子は全国で愛されるようになった」

駄菓子のノウハウを生かした商品開発に取り組むメーカー

長い間、地元の人に愛される名古屋の駄菓子。
しかし施設の老朽化や原材料の高騰で、愛知の菓子メーカーや駄菓子屋などの数は、この10年で半分以下に減っています。

こうした中、新しい商品の開発に力を入れているすごい!駄菓子メーカーがあります。
大正8年創業で、ラムネ菓子などを製造・販売している名古屋市西区のメーカーです。
こちらではいままで培ってきた駄菓子のノウハウを生かし、新しい商品を開発しました。

それが、新食感の“生ラムネ”です!
コンセプトは「高級感」。製造工程や材料を変えて、職員がラムネの製造過程で1番おいしいと感じる、水分を含んだ状態のラムネを再現しました。
子どもだけでなく、駄菓子を食べなくなった大人にも販路を広げようとしています。

浦野リポーター
「なめらか!すぐに溶けてなくなっちゃいました。味も香りもすごく濃くて、おいしいです」

さらにことし2月には、イチジクやナシ、ニンジンなど地元愛知の農産物とコラボした商品も販売。
幅広い世代に届けたいと、試行錯誤を続けています。

カクダイ製菓 商品企画課 𠮷田由希子さん
「ラムネ離れをしてしまった方たちにもう一度手に取ってもらいたいという思いが1番です」

名古屋の人たちの暮らしに根づいた“駄菓子”。
「懐かしさ」の中に、進化を続ける「新しさ」を感じることができました。

名古屋に根づく駄菓子

“駄菓子のまち”がある名古屋市には、お菓子にまつわるすごい!文化がほかにもあります。

例えば昭和の時代、百貨店などで見かけた「回るお菓子売り場」。
この第1号が設置されたのが、名古屋の名鉄百貨店です。
また、名古屋の結婚式では、参列者に新郎新婦がお菓子をまく「菓子まき」という風習もあります。
特別な日に駄菓子が身近にあったからこそ、地域に根づいたのだと感じました。

駄菓子の取材を通して名古屋の街の歴史や地域の人の思いに触れることができ、地元で作られる駄菓子がより好きになりました。

  • 浦野莉恵

    NHK名古屋放送局 リポーター

    浦野莉恵

    愛知県豊橋市出身
    昨年度から「東海すごいぜ!」を担当し、東海地方の伝統産業や全国から注目を集める、すごい!技術や取り組みを取材しています。 
    好きな駄菓子は「たまごボーロ」です。

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