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電気ケトルに注意!~食卓に潜むやけどのリスク~

  • 2023年05月02日

食卓の「電気ケトル」。
手軽にお湯を沸かせて便利ですが、小さな子どもにとってとんでもないリスクが潜んでいます。電気ケトルの熱湯をかぶってやけどをする事故が相次ぎ、専門家が注意を呼びかけています。

乳幼児のやけど

中京病院救急科 黒木雄一医師

重いやけどを負った、生後8ヶ月の女の子。皮膚を移植する手術を何度も受けました。
治療にあたった中京病院救急科の黒木雄一医師です。

黒木雄一医師
「胸とかおなかとか、体幹部のところに50%ぐらいの熱傷で、かなり重傷の、広範囲の熱傷を負っています。赤い部分は比較的浅くて自力で皮膚が再生する可能性が残っている。白くなっている部分のやけどが深いやけどで、自力で治ることは難しい」

やけどの原因「電気ケトル」

やけどの原因。
それは机の上に置かれていた「電気ケトル」でした。
親が目を離した隙にさわって倒し、沸いたばかりの熱湯をかぶってしまったのです。

黒木医師は2020年までの5年間に、中京病院にやけどが原因で入院した患者593人を分析し、このほどその結果を公表。
年代で最も多かったのが10歳未満のこどもで、そのなかでも0歳と1歳が8割を占めました。

その原因のほぼすべてが、熱湯など高温の液体をかぶったこと。
中でも多かったのがテーブル上の「電気ケトル」や「電気ポット」などの「電気湯沸かし器」の熱湯でした。

1歳11か月で入院した男の子は、電気ケトルのコードを引っ張ってケトルを倒し、こぼれた熱湯でやけどを負いました。
電気ケトルの熱湯によるやけどは、深く広範囲にわたることが多く、手術が必要になるリスクは、おわんの湯など他の原因に比べて6倍高いといいます。

黒木雄一医師
「電気ケトルの場合はコードに固定されていますので、ひっかけるとそのまま倒れてしまう。
一番確実なのは台所の奥の方に置く。決してテーブルの上に置かない。あとはテーブルクロスを引っ張ってしまって湯がこぼれてしまうこともありますので、テーブルクロスはできるだけ子どもが小さいうちは使わない方がいいと思います」

黒木医師は、小さな子どもがいるときには、電気ケトルやポットの置き方に細心の注意を払うよう呼びかけています。

黒木雄一医師
「やけどの傷は、元どおりのきれいな皮膚に戻ることは、今の技術、今の医学ではまだまだ難しくて、痕になって残ってしまう。親御さんがお子さんをずっと24時間監視していることはできませんので、特に気をつけるべきポイントに絞って、そのポイントを知ってもらうことで予防していただけたらと思います」

やけどの多くは予防可能

やけどで皮膚を移植する手術を受けた子どもは、成長とともに皮膚の伸びが追いつかず、関節を動かすのに支障が出たりするため、皮膚を伸ばす手術などが必要になることがあるそうです。
やけどの患者を多く治療してきた黒木医師は、取材中何度も「やけどの事故の多くは予防できる」「とにかく予防に尽きる」と話し、予防の大切さを強調していました。

電気ケトルによるやけどを防ぐために、黒木医師が呼びかけるポイントは、
▼電気ケトルは台所の奥などに置き、テーブルの上には決して置かない。
▼子どもが小さいうちは、テーブルクロスは使わない。
特に、事故はいつもと違う環境で起きやすいということで、ホテルや祖父母の家など旅行先では、小さな子どもにとって危険はないか、細心の注意を払って点検し予防することが重要です。
 

  • 松岡康子

    NHK名古屋放送局記者

    松岡康子

    静岡局、豊橋支局、名古屋局、科学文化部、生活情報部を経て、2013年から再び名古屋局。 
    主に医療分野や介護分野の取材を担当。 
    愛知県小牧市出身で、2人の息子の母親。

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