愛知の“春キャベツ” なぜおいしい!? マチコエ
- 2023年05月02日
「今が旬の“春キャベツ”。どうして春キャベツはおいしいのか調べてください!」というご依頼。
・・・ということで、愛知の春キャベツの「おいしさのヒミツ」「栽培のヒミツ」を調査!
すると、地域のために奔走したスゴイ人の存在を発見!
記事の最後から、みなさんが日常で感じる「疑問」や「不思議」の投稿をお待ちしています!
(NHK名古屋 ディレクター 浅野玲子)
おいしさのヒミツは・・・「土」「寒暖差」「品種」
向かったのは、全国でも有数のキャベツ産地といわれる、田原市。
畑で作業中のキャベツ農家、鈴木利往さんにお話を伺いました。
おいしさの秘密を教えてもらう前に、さっそくとれたての春キャベツをいただきました!
味がめっちゃ濃くて、甘い!
葉が柔らかくて、何もつけなくても、さくさく食べられますね!
鈴木さん、なぜ田原の春キャベツはこんなにおいしいのでしょうか?
一応、企業秘密なんですけど教えましょう!
と言って、鈴木さんが見せてくれたのは・・・土?
渥美半島は海に囲まれているので、潮風がミネラルを運んできて土に還元される。
土にいっぱい栄養素が含まれているんです!
「ミネラル豊富な土」によって「栄養たっぷり」のキャベツになるんだそう。
さらに、渥美半島ならではの北風による「寒暖差」で甘みが増すといいます。
すると突然、鈴木さんから質問が!?
浅野さん、「春キャベツ」と「冬キャベツ」の違いってわかります?
春キャベツは“春にとれるキャベツ”で、
冬キャベツは“冬にとれるキャベツ”じゃないんですか?
いや、違うんだな~!
と言って、鈴木さんが持ってきたのは・・・2つのキャベツ。
これが「冬系のキャベツ」、こっちが「春キャベツ」。
見た目で全然違うでしょ?
実は「春キャベツ」と「冬キャベツ」、そもそも品種が違う「別物」だったんです。
「春キャベツ」は葉が柔らかく、生で食べるのがおすすめ。熱に弱いビタミンCを効果的にとれるそう。
なぜ田原市は キャベツの一大産地になった?
鈴木さんのおかげで「おいしさのヒミツ」はわかったのですが、ここで新たな疑問が。
そもそもなぜ、田原市はキャベツの一大産地になったのか?さっそく町の人に聞き込み調査!
農業がこれだけ発展したのは“豊川用水”のおかげですね。
昔はおけで水を運んでまいていました。“豊川用水”ができて助かりましたね。
私が小学生の高学年のときに"豊川用水"ができたんです。
みなさんが口々にいう“豊川用水”は、
いまから55年前、奥三河から渥美半島一帯に張り巡らされた用水路のこと。
さらに調べを進めると・・・気になる人物を発見!
豊川用水を発案した、近藤寿市郎さん?
なぜ「豊川用水」をつくったのか?近藤寿市郎をさんを研究する人を訪ねました。
近藤寿市郎にほれ込み、歴史をまとめた本まで出したという嶋津隆文さん。
ずばり、近藤寿市郎さんは、どんな人だったんですか?
私にしてみたら、天下の風雲児。東三河の今を作り上げた男です!
近藤寿市郎は田原市出身。愛知県議会議員や衆議院議員を経験した政治家です。
豊川用水を100年以上前に発案しました。
理由は「水不足」。渥美半島は農業どころか、飲み水や生活用水にも困るほどの土地でした。
しかし、近藤が発案した豊川用水の構想はあまりにも大きく、当時、現実性に乏しいものでした。
近藤は国会で何度も、豊川用水の必要性を訴えますが・・・
近藤に対して
「大風呂敷だ!大ほら吹きだ!誰が金を出すんだ?」という厳しい声が。
ところが戦後、日本は食糧難に。その打開策として注目されたのが「豊川用水」でした。
近藤の発案からおよそ半世紀。1968年に豊川用水が開通。
渥美半島を潤し、農地が次々に作られていきました。
「水のない、この土地をどうするか」ということがずっと近藤の頭の中にあった。
「水不足さえなくなれば故郷は発展する」というのが、一番の起爆剤になったと思う。
愛知の春キャベツの調査結果は・・・
愛知の春キャベツの「おいしさの秘密」は・・・
①ミネラル豊富な「土」によって栄養たっぷり
②渥美半島ならではの北風による「寒暖差」によって甘みが増す
③「品種の違い」によって葉が柔らかい ということでした。
そして「愛知ならではの栽培の秘密」は・・・
渥美半島全域を潤す「豊川用水」、
そして、地域をよくするために奔走した「近藤寿市郎さん」の存在がありました。
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