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マスク不要の学校生活に変化は? 岡崎市の小学校に密着

  • 2023年04月11日

新年度がスタートした学校で、ある変化が起きています。
4月から、学校でのマスクの着用が原則求められなくなったのです。
子どもたちの表情に変化はあるのか。愛知県岡崎市の小学校で先生と子どもたちを追いました。

1年生はマスクなし

4月6日、岡崎市立梅園小学校で開かれた入学式。
少し緊張した表情の新1年生の顔には、ほとんどマスクがありませんでした。

「100点とりたい」

「お外でいっぱい遊びたい」

「給食当番が楽しみ」

国はこの4月から学校でマスクの着用は求めないことを基本にするとし、この学校でも原則、マスクなしの方針に切り替えました。

2年生以上はマスク姿

しかし、始業式のために登校してきた2年生以上の子どもたちは、マスク姿が目立ちます。

先生たちからは...

「もう4月からは、マスクいらないよ~」

近藤文彦校長
「まだよく、分かっていないのかな。一応保護者向けには、お知らせをしたんですけど、それがうまく伝わっていないのかな。それとも習慣で(マスクを)つけているのかな」

子どもたちに、なぜマスクを付けているかを聞くと。

「恥ずかしいから」

「ちょっと花粉があって」

「まだ感染が怖い」

マスクの個人判断と指導の狭間で悩む先生たち

新たな方針のもと、子どもたちにどう接するか。
新学期を前に、先生たちは検討を重ねてきました。

新年度最初の職員会議

子どもたちには、豊かな表情で学校生活を楽しんでもらいたい。
一方で、この3年マスクの着用を求めてきたことで、子どもたちが戸惑うのではないかという懸念もありました。
校長先生が示した考えは。

近藤文彦校長
「マスクの着脱、着も脱も強いらない。ですが指導は行います。例えば、激しい運動時にマスクをつけていて事故が起きたり、熱中症になったりしないように 取ることを指導します」

基本は子どもに任せる。
その上で、マスクなしでも気にならない環境をつくっていく。
その背景には、校長先生がこれまで感じてきた、子ども同士のコミュニケーションへの影響もありました。

近藤文彦校長
「子どもたちがうまく、コミュニケーションを取れなくて、ちょっとしたトラブルで仲間に入れなくなってしまったりとか、教室にちょっと行けなくなってしまってということが多いんですよ」

子どもたちにどのように声をかけていくか、先生たちも悩んでいました。

男性教師
「子どもたちも外したいっていう子もいれば、まだ着けときたいよっていう子もいるんですけど、難しいです」。

女性教師
「”取りなさい”っていう風には、言わないようにしようかなとか」

そして迎えた始業式。
教室で先生たちは、言葉を選びながら、マスクについて話しました。

男性教師
「マスクはもう、外してもいいよっていうふうになっているよね。自由なんですけど、自分で考えてね。マスクを自分がつけたいならば、つける時とつけない時を考えてね」

子どもたちはどう感じているのか。
校長先生もその様子を見て回ります。

近藤文彦校長
「(マスク)とったら?とってる時なかったっけ?」

児童
「1、2年生とかそれくらい。マスク嫌だなあと思ってたけど、時期に慣れて、もう普通になってきた」

近藤文彦校長
「とったら?」

児童
「とったらなんか気まづいじゃん。みんなつけてるし」

近藤文彦校長
「難しいなあ~。すぐには変わらないってことですかね…。
私たちの3年と60年の3年と6年間の3年とか12年間の3年は、やっぱり違うなって、重みが。逆のこちらが圧力になっちゃうかもしれませんね。周りがこうするからこうするとか、そうじゃなくて、自分できちっと考えを持ってやっていけるといいかな」

編集後記

新型コロナの感染拡大が始まってから3年余り。
その間、子どもたちの学校生活は、さまざまな制約をうけてきました。新4年生までは、マスクなしでの学校生活自体を経験したことがありません。
学校でマスクが不要になっても、子どもたちからは「外すのが恥ずかしい」という声が多く聞かれました。大人の3年と子どもの3年の重みの違い。コロナ前の日常に戻すことは簡単ではないことを実感しました。
コロナと向き合ってきたウィズコロナからアフターコロナに向けて、模索が始まった学校現場をこれからも追っていきます。

 

  • 松岡康子

    NHK名古屋放送局記者

    松岡康子

    静岡局、豊橋支局、名古屋局、科学文化部、生活情報部を経て、2013年から再び名古屋局。
    主に医療分野や介護分野の取材を担当。
    愛知県小牧市出身で、2人の息子の母親。

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