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ウクライナから避難 愛知での生活を支える企業

  • 2023年04月04日

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年あまり。
東海3県でもあわせて25世帯、123人が避難しています。
避難の長期化で、いま、避難者たちの生活をいかに安定させていくのかが課題になっています。
あるウクライナ人一家の現状を取材しました。
(NHK名古屋 記者 松岡康子)

ロシアの侵攻直後から避難生活

去年6月、ウクライナから避難してきた一家です。
スウィンチェンコ・アナスタシアさんと息子のティモフィーくん、父親のクジメンコ・オレクシーさん、母親のクジメンコ・オレガさん。
ウクライナにいるアナスタシアさんの夫と離れ、避難生活を続けています。

アナスタシアさん
「自分の家がなくなってしまった。悲しいです。こんなことになるとは思ってもいなかった」

住んでいたのは、激戦地・ウクライナ東部のハルキウです。
一家は、いったんポーランドに避難しましたが、その後、日本人と結婚して日本で暮らしていた姉の、イリーナさんを頼りに愛知県に避難してきました。

一家を、どうやって受け入れたらいいのか…。

大手運送会社が支援

そこで支援したのが、物流大手の企業でした。

この会社では、社会貢献の一環として、ロシアの軍事侵攻直後の去年3月、早々に、避難者への住宅と仕事の提供を表明しました。

セイノーHDブランド戦略室 市橋伸介室長
「人道支援という部分と、困っている避難民の方をお手伝いできるのであればということで」

社宅に空き部屋があり、すぐに提供できたのです。

西濃運輸名古屋東支店 木内啓介支店長
「一番広い部屋があったので、そちらを準備しました。家具の備え付けは基本的にはないんですけれど、社員の人たちが家具を有志で提供してくれました」

アナスタシアさんの姉、土方イリーナさん
「とても温かい雰囲気で迎えてくださったので、嬉しかったです」

生活の安定のため仕事の支援も

避難生活を安定させるには、仕事も必要です。
そこで、本人たちの希望を聞き、アナスタシアさんと、父親のオレクシーさんには、ウクライナでの仕事をオンラインで続けてもらいながら、毎日、物流センターで働いてもらっています。

出荷作業をする仕事場の棚には、ウクライナ語の表示も。

スマホの翻訳アプリで、同僚と、コミュニケーションします。

同僚の女性
「最初はやはり会うまでは正直みんな構えていたと思いますけど、でも、明るく笑っているので、本当に一人前の仕事をしてもらっています、助かっています」

アナスタシアさん
「職場の人たちは、仕事だけでなく体調や生活のことまで気にかけてくれています」

オレクシーさん
「とてもよかったです。日本で仕事ができるとは思っていませんでした。仕事を頑張って役に立ちたい」

子どもの日本語教育支援も

いま、一家の悩みの1つが、子どもの教育です。
アナスタシアさんの息子・ティモフィーくん(6)は、ハルキウの学校の先生がネットで配信する授業を受けてきました。
一家はこの春、帰国できることを期待していましたが、帰国の見通しは立たず、来月から日本の小学校に入学させることを決めました。

アナスタシアさん
「言葉の問題が一番心配です。友達ができるか、先生に聞かれて答えられるか、言いたいことが言えるかが心配です」

大学生による学習ボランティアも始まりました。
今月から週1回、日本語を教えてもらっています。

ティモフィーくん
「こ・ん・に・ち・は。 こんにちは」

”戦争が終わるのを信じて待つしかない” 

長期化する避難生活。
アナスタシアさんは、安心して暮らすことができる日本での生活にありがたさを感じています。

アナスタシアさん
「今あるものに感謝して大切にして毎日を楽しんでください。一瞬で全部消えてしまう可能性があるから。私たちは(戦争が)終わるのを信じて待つしかない」

編集後記

避難の長期化で、住むこと、食べることだけでなく、仕事や教育など、避難者1人ひとりに寄り添った、よりきめ細かな支援が求められています。
アナスタシアさんたちは、本当に辛い状況にありますが、職場で知り合った人たちと一緒に出かけるなど、周囲の人たちとの交流が心の支えになっているということです。
支援する会社では、今後も避難者からの要望があってニーズがマッチすれば、住居や仕事を提供したいとしています。

  • 松岡康子

    NHK名古屋放送局記者

    松岡康子

    静岡局、豊橋支局、名古屋局、科学文化部、生活情報部を経て、2013年から再び名古屋局。
    主に医療分野や介護分野の取材を担当。
    愛知県小牧市出身で、2人の息子の母親。

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