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中日の1か月~数字から振り返る~

スポーツ

2022年5月17日

プロ野球の開幕からおよそ1か月。新生立浪ドラゴンズは5月1日の試合に勝って14勝13敗。6年ぶりに勝ち越し「1」で5月をスタートさせた。ことしのドラゴンズは何が違うのか?ここまでの戦いを数字で振り返る。(数字はすべて5月1日現在)

立浪監督が感じた1か月

立浪監督

「チーム全員で頑張ってはいるが、うまくいっている部分もあるし、なかなか打てなかったという点もある。特にこのバンテリン(ドーム)で点を取れないという状況が克服できていないが、終盤に粘って逆転するような形も出てきているので、そういう試合が増えるようにやっていかないといけない」

こう丁重に話す立浪監督だが、チームは間違いなく去年とは違う。ケガの心配もある中でも"ヘッドスライディング"、勝利への貪欲さを感じる。結果的な勝ち負けではなく、首脳陣、選手から「勝ちたい」という思いがあふれ出ているのだ。これまでもなかったわけではないが、それが前に前に出てくる。しかも、偶然なのか試合終盤になるほど強くなっていくのだ。

8回に訪れるミラクル

中日のイニング別の得点を調べるとすぐにわかる。いま地元で話題の「ミラクルエイト」だ。8回は23得点で打率も3割を超える。偶然といってしまえばそれまでだが、終盤に強いというのは極めて大事だ。野球は空気感や流れで試合展開が大きく左右される。「この回になにか起こるのでは?」という盛り上がりが得点を生み、「ミラクル」というワードが際立ってくる。「ミラクルエイト」は攻撃の好循環の証しなのだ。

5・6・7がすごいから

8回の謎はさておき、こちらも数字としてしっかり表れていることがある。

5番の阿部寿樹選手、6番の木下拓哉選手、7番の石川昂弥選手。3人とも打点が10を超えている。阿部選手は得点圏打率リーグ3位、木下選手は8位と、チャンスでの強さが際立つ。
一方、タイプが違うのが石川選手だ。得点圏打率は1割台だが、チームトップの「4」ホームランが光る。

5番・6番・7番で45打点。チームの総得点が「94」なので、ほぼ半分を3人であげていることになる。4番のビシエド選手の調子が上がらないなかで、そのあとを打つバッターがチームの鍵を握っていたことの証しだ。そのなかでもファンの期待は石川選手に集まっている。

石川選手に注目

立浪監督

「石川はバッティングを見てもらっても、他球団のホームランバッターに引けをとらない」

立浪監督も太鼓判を押す石川選手。ここまでチームトップの4本のホームランを打つなど、将来の4番候補として着実にステップアップしていると言っていい。石川選手には調子を上げるきっかけがあった。先月(4月)22日の巨人戦でエースの菅野智之投手の高めの速球をスタンドまで運んだ打席だった。

石川選手

「あのときからいい感覚になった。以前までは(速球に)詰まってたが、それをホームランに打てたのでこうやって打てばいいんだ、みたいな」

3年目で早くもチームに欠かせない存在になってきた石川選手。豪快なホームランに目が行きがちだが、石川選手に聞くと、こだわりはホームランではない。チームが勝つための打点を意識しているというのだ。実は、石川選手はチャンスで犠牲フライを打つなどチームバッティングをたびたび見せている。その1点の積み重ねがチームトップの打点に結びついているのだ。

「勝ちに対する強い思い」

立浪監督がよく口にする言葉だ。試合中には2人が話している姿が度々見られる。これはキャンプから行っている。積極的なコミュニケーションが立浪流だ。石川選手は立浪ドラゴンズの象徴と言えるのだ。

石川選手

「(立浪監督に)すごい気にかけてもらってるのはおかしいかもだけど、自分も(打撃フォームの改善点に)気づけるので、言ってもらって、ありがたいです」

好調リリーフ陣

好調の理由。もうひとつはイニング別の失点の表を見るとよくわかる。7回以降の失点が明らかに少ない。防御率で見てみると5回までが3.60に対して6回以降は2.69。前半と後半では、1点近く違うのだ。

特に今シーズン一気にブレークしたのが山本拓実投手と清水達也投手の2人だ。4年目の山本投手は、8試合に登板し防御率は0.96。回をまたいで投げられるタフさが持ち味だ。150キロ台の速球を強気で投げ込むメンタルも魅力だ。

そして、清水投手。今シーズンは速球でストライクを取って、落ちる球で打ち取るスタイルを確立した。リリーフで12試合に登板し3勝をあげているのは、追いかける展開でも我慢強くゼロを積み重ねている証しだ。

投手陣がいいと試合は崩れない。接戦をものにしていけば、好調ドラゴンズはしばらく続くだろう。

筆者

竹内啓貴 記者(NHK名古屋放送局)

平成27年入局 愛知県出身
中京大中京高時代は野球部で甲子園出場 慶応大でも野球部に所属
ドラゴンズを担当して2年目

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