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【応援鉄】大井川鉄道・一部再開初日に乗ってきた! ~感じたSLのチカラ~

2023年1月11日

アナウンサーの別井敬之です。
大井川鉄道の一部運転再開の日、SL列車の車内からラジオの生中継をしました。
静岡県西部を走る、大井川鉄道は、9月の台風15号の影響で、大井川本線:金谷~千頭39.5kmの全線が運休していました。今回は、そのうちの金谷~家山17.1kmが運転再開したのです。
生中継冒頭、列車が遅れてトンネルにさしかかってしまうハプニングもありましたが、およそ3か月ぶりに響く汽笛の音をお届けできたかと思います。

大井川鉄道で最も古い蒸気機関車(なんと昭和5年製)C10-8がけん引する車内にて。大井川鉄道の広報・山本豊福さんと。(写真撮影時のみマスクを外しています。)
客車も同じ時代のレトロ客車で味わいがあります!

以前の記事でもご紹介したようにSLの朝は早く、私が到着したときにはもうSLの"一番列車"トーマス号は蒸気をもくもくと出していました。

前回の記事はこちら
▶「応援鉄!復活へ、SLに再び火が入った! 大井川鉄道」

その1時間ちょっと後に出発するC10-8、こちらは大規模修繕でピカピカ!13か月ぶりの運転です。

構内踏切を、線路側を塞いでの"撮影タイム" お子さんも、それ以上に大人も大はしゃぎ。
「会社休んで来たかいがありましたね」と声を掛けられたのですが、、、すいません、私は仕事です。。。

列車の本数を運休前の水準に戻しSL列車も復活させた大井川鉄道。
初日はSL列車の利用者数は軒並み好調でした。

当分の間の折り返し駅となる家山駅では地元の皆さんがお出迎え。
"大鐵"(大井川鉄道)にエールを送ります。

そして、前回ご紹介した部分開通の期間しか見られない"バック運転"も。
家山駅に到着後は、機関車を客車から切り離し、

ホームのすぐ横をバックで通過、

そのまま反対側に機関車を据える「機回し(きまわし)」作業も見られました。
しばらくはこの珍しい「バック運転」の姿を楽しみたいものです。

バック運転。連結部はまるで「にらめっこ」

一方で、新金谷駅から以前なら終点・千頭駅まで1時間以上かけてのんびりと旅ができたのが、いまの家山駅までは30分。
ハーモニカの演奏や、流ちょうな案内の"SLお姉さん"上村詩恵さんの用意した「SLトリビア」の数々も、披露しきれないくらいに「あっ」という間でした。(SLに詳しくない方も「へー、そうなんだ!」が満載のアナウンスですよ~。)

上村さん自作のカンペ。内容ぎっしり!

実際に車内販売の方に聞くと「飲食は変わらずだけど、おみやげ類が見込んだほどはなかった」そうです。
ただ、SLの戻ってきた駅はやはりにぎやか。
それを見つめる上村さん「やっぱりこの方がいいですね。大井川鉄道沿線だけ取り残されたような、時が止まったような感じがしていましたから。止まっている間は、いままで以上に、鉄道だけでなく地域といっしょにどう盛り上げるかを考えましたね。鉄道ファンだけでなく、家族連れだけでなく、じゃあカップルが来たくなるようなものは?おひとりさまなら?と、いろいろな人に刺さるには、と。」

沿線には見どころも多いですが、抜里(ぬくり)の茶畑を行く姿も、SLの見える丘からの景色も、第一橋りょうの赤い鉄橋も、川根温泉も、夢のつり橋も、、、今回の再開ではまだそこまでには至らず、多くの"名所"をSLが行く姿は、しばらく先のことになりそうです。それでも、きょうは沿線でカメラを構えた方も含めて、多くのファンが詰めかけたことも事実。やはり大井川鉄道のSLには、それだけのインパクトがあることも示しました。

先の区間の運転再開はまだ見通しが立っていない状態ですが、それまでなんとか持ちこたえてほしい、そんな思いも強くしました。
ラジオでもお話しましたが、沿線で写真を撮っている方が、シャッターを押さない側の手を振ってくれます。乗っている人がそれに手を振り返します。まわりみんなを優しい気持ちに変えるSLのチカラで、大井川鉄道と沿線が、活気を取り戻すことを願ってやみません。

筆者

別井敬之アナウンサー

「NHKラジオ鉄道大博覧会」「東海道新幹線開業50周年・まるごと新幹線」「BS鉄道ファン倶楽部」「夢のSL記念館」「SL復活C571よ永遠に」など鉄道番組多数。時刻表検定取得。愛読書は時刻表(中型全国版)の"乗り鉄"。東海地方のJRは乗り尽くし完了。私鉄と第3セクターがもう少しかかりそう。。。