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どうする家康「家康の人生に大きな影響! お万役 松井玲奈さんインタビュー」

2023年9月29日


お万は、もともと家康の正室・瀬名の世話をする侍女で、残っている資料は少なく謎の多い人物です。地元の人や歴史に詳しい方以外で、以前からお万を知っていたという人は多くないかも知れません。

しかし、この大河ドラマ「どうする家康」では、再登場した8月の放送までにたった1回しか登場していないにも関わらず、大きなインパクトを与えていたのではないでしょうか?

それもそのはず。家康三大ピンチの1つ三方ヶ原の戦いで、しし累々。なじみの家臣団が倒れていく苦しい放送の直後。視聴者も気持ちが沈んでいたところで描かれたのは、浜松城に帰った家康の傷を癒やそうとしたお万に家康が"お手つき"をしてしまう驚きの展開でした。

もちろん正室の許可もなく、侍女だったお万は側室でもないわけで...。瀬名は"徳川家"をないがしろにしたとご立腹。

家康はお万の神秘的で妖艶な姿にくらっときたのでしょうか...。
8月27日の放送では、2人の間に出来た息子を養子へ出すシーンで再登場していました。

演じるのは愛知県出身の松井玲奈さん。まずは、初めての大河ドラマにどう挑んだのか聞きました。

初めての大河ドラマどう挑んだ?

加藤

初めての大河ドラマ、どのような準備をして、どんな気持ちで挑みましたか?

松井玲奈さん

わたしが演じたお万は、調べても残っている資料がほんとうに少なくて、歴史っておもしろいのは、人によって解釈が違ったり、書かれていることが違っていたりするので、自分が集めた資料の中からお万の方を膨らましてはいたけど、一番大事なのは今回の台本だと思ったので、そこに書かれているお万の方の信念。戦いのない世にしたいという彼女の思いをどうやったら表現することができるんだろうと自分の人生と重ね合わせながら役を作っていました。

加藤

どのような部分を重ね合わせたんですか?

松井玲奈さん

目標に向かっていくときに手に入れるというよりは引き寄せる感じ。その感覚がお万が考えていた人に尽くすことで世の中をよりよいものになっていくという考え方に少し似ているのではないかと考えて、そこから自分だったらどう考え感じるかという部分を膨らませてお芝居にフィードバックしました。

力ずくでもなく、権力でもお金でもなく、人に尽くすことによって運を引き寄せていく。
松井さんが日頃からもつ思いやり慈しみのこころが役柄にも反映されていたようです。

加藤

難しいと感じた部分はありましたか?

松井玲奈さん

お芝居のしかたによっては誤解されやすい役だと思ったので、そこは難しい役だなと思いましたね。自分の欲のために家康に近づいたと思われてしまうと、彼女の信念とは違うんじゃないかと思ったので、戦いのない世になるにはどうすればいいか見ている方に伝わるように心がけました。

大河ドラマでは、このように描かれていました。

「男どもはおのれの欲しいものを手に入れるために戦をし、人を殺し、奪います。おなごは人に尽くし、癒やしと安らぎを与えて手に入れるのです。おなごの戦い方の方がよほどようございます。私はずっと思っておりました。男どもに戦のない世の中などつくれるはずがないと。まつりごともおなごがやればよいのです」

このシーン、妊娠が発覚した直後、瀬名と対じするシーンだったのですが、信念をもち行動したお万は、ひるむ様子はなく、むしろ瀬名に自分の信念をまっすぐに伝えました。

瀬名のシーンについて

松井玲奈さん

今回のお万のことばが瀬名にはとても大切なきっかけのことばになるというのは自分で感じていたので、何を一番伝えたいか、どう届けたいかというのはとても丁寧に考えたり、監督からもその一番伝えたいことばを彼女の目を見てしっかりやってほしいというディレクションをしてもらったので、それをすることでしっかり伝わっていたらいいなと思いながら、有村架純さんのとてもきれいな目をまっすぐに見ながらお芝居していました。

侍女であるお万。これまで主人である瀬名には目をしっかりと見て話すことはせず、遠慮がちに伏し目で話していました。目を見てお芝居をするというところもお万の強い意思の表れを表現していたと言います。

松本潤さんとの撮影裏話

松本潤さんとのシーンの多くはお風呂。蒸し風呂のように蒸気が立ちこめる中、体を拭くシーンが印象的でした。

松井玲奈さん

松本潤さんとのシーンでは、お万は妖艶で女性的な柔らかさが見えてほしいというのをずっと言われていたので、ゆっくり動くことを意識しながらお芝居をしていたけど、松本さんのまつげが本当にきれいで羨ましいと思って、黙ってじっと見つめていました。まつげ長い!と思ってセリフを忘れてしまうくらい美しかったです。

実際にまつげに見とれてNGを出してしまったそうです。

知立神社を訪問

インタビュー当日松井さんは、ゆかりの地である知立神社を訪ねました。

松井玲奈さん

お参りをして、そのあと実際にお万の方が描いたお手紙が残っていて見せてもらったり、ちょうど私がきょう伺った日がお万の方の像のお披露目の日だったので、その像を見たりしました。大河ドラマがきっかけかは分からないけど、いま改めてお万の方が注目されて知立神社に像が建ったことはとてもすてきなことだとも思いましたし、私もまた知立に来てお参りをしていきたいと思いました。

学生時代の思い出

さらに、松井さんとインタビューをした加藤は、愛知県出身の同い年。学生時代の地元トークでも盛り上がりました。

松井玲奈さん

高校生っておなかがすく時期じゃないですか、成長期なので。50円くらいに値引きされたういろうを買って、かじりながら家に帰っていました。ショッピングモールでラーメンを食べたりもしましたよ。

加藤

わたしはショッピングモールでよくプリントシールを撮りました。

松井玲奈さん

そうですね!なつかしい。また、趣味の鉄道でも豊橋は楽しいところです。わたしの好きな新幹線も停車しますし。在来線もおもしろいものが多い。路面電車も走っているんですよ!

最後にメッセージももらいました。

松井玲奈さん

愛知県出身なので「どうする家康」に参加することが出来て本当にうれしく感じています。お万がどう物語に関わってくるのか皆さん楽しみにしていただけたらうれしいなと思います。よろしくお願いいたします。

筆者・編集を終えて

「まるっと!」リポーター 無類の歴史・ドラマ好き"カトリーナ"こと加藤里奈

松井玲奈さんとは10年くらい前に共演したことがあり、ご挨拶をした直後、その話題で盛り上がりました。そんなスタートをしたインタビューは終始朗らかな空気。役のお話をしているときは向き合ったそのシーンを思い出しながら言葉を紡ぎ、地元の話をしたときはあふれる笑顔が印象的でした!

松井さんは最近でいうと「プロミス・シンデレラ」では怒りや羨望、憎悪など感情を激しく出していく芸者さんの役や「オクトー~感情捜査官 心野朱梨~」では逆に事件に巻き込まれ感情を失ってしまった主人公の姉役など、幅広い役に挑戦されている印象でした。今回の「どうする家康」で披露したお万は19話で突然登場しながらも家康だけならず視聴者の心をグッと掴む芝居で、その後の伏線を楽しませてくれた登場人物でした。それは松井さんのこれまでの役者人生の積み重ね、今の松井さんだからこそ演じられる姿だとドラマ好きな私は大興奮でした!!

この後、お万の息子、結城秀康がどのように物語に関わってくるのか、お万の姿を思い浮かべながら楽しみましょう!!


物語は、東海から。

大河ドラマ『どうする家康』