大河ドラマ「どうする家康」主演の松本潤さん始め、ドラマの出演者が、自ら演じる人物とゆかりのある地を巡る、シリーズの旅番組「どうする家康 大河たび」。
今回旅するのは、松嶋菜々子さん。家康の母・於大の方(おだいのかた)を演じています。
椎の木屋敷跡 於大10代で子を奪われ離縁 傷心の日々
まず訪れたのは、於大がふるさとの刈谷で、およそ2年に渡って身を寄せていた屋敷の跡地です。

於大が岡崎城の松平家に嫁ぎ、家康を産んだのは15歳のとき。
離縁後、於大はふるさとに戻ったものの、実家に戻ることもできず、ここでひっそりと暮らしていたといいます。

刈谷市歴史博物館 学芸員 水野節子さん
身分もそれなりにありますし、離縁されて戻ってきているという意味もあって、そんなに自由には外に気分転換に出かけたりとかできなかったと思うんですね。
松嶋さん
まだ10代ですよね。
水野さん
家族を築いて進んでいこうというところで離れてしまって、やっぱり寂しい思いがすごくあったと思いますね。

水野さん
お顔の向きが、あるところを向いていると言われていまして、どちらの方を向いているかお分かりになりますか?
手を胸に置いて、何かを思っている様子ですけれども、何を思っているか。

松嶋さん
息子(家康)ですかね。
水野さん
そうですね。岡崎の方を向いて。
松嶋さん
ほんと切ない。

当時、家康がいた岡崎城まではわずか16キロほど。それでも親子は、16年の長きに渡って会うことさえ叶いませんでした。
松嶋さん
若い女の子が、孤独に生活を強いられるというのは、どんな思いだったろうかと思いますね。

楞厳寺(りょうごんじ) 寺で人生を模索 断捨離で心機一転
孤独な暮らしを強いられた於大が、心のよりどころを求めて通っていたという寺を訪ねました。


於大はここで仏の教えを求め、心を落ち着かせようとしていたといいます。


そんな中、於大が迷いを断ち切るため、寺に納めたという身の回りの品々がありました。

楞厳寺 住職 渡部貫道さん
於大の方が岡崎城・松平家で使われていた4品でございます。こちらが、於大の方が使った天目茶碗というお茶碗でございます。

松嶋さん
きれいな家紋も入っていますね。
渡部さん
松平家の家紋が。身も心も新たにして、楞厳寺に奉納して。
於大の方の気持ちが、この4品に乗り移っているような感じですよね。
松嶋さん
心をいったん置いておいて、改めて心機一転。
渡部さん
そうですね。
松嶋さん
きっとお子さんを残していかなければいけなかったり、いろいろ思うところがおありになりながら、お気持ちを整理されたりして。時を経てすごく感慨深いですね。


椎の木屋敷跡
東海道本線「名古屋」から電車「刈谷」で下車、三河線「刈谷」から電車「刈谷市」で下車、徒歩12分
楞厳寺
東海道本線「名古屋」から電車「刈谷」で下車、「刈谷駅南口」からバス「御幸町6丁目」で下車、徒歩11分
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物語は、東海から。
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【公式サイト】
松嶋さん
於大さんはここでどういう暮らしをされていたんですか?