NHK名古屋の昨年の大きな取り組みの1つが「人をつなぐ20,000枚のカード」です。
思いがけない妊娠をした方・今後する方に、相談する場があるのを知ってほしいと「全国のにんしんSOS窓口」を記載したカードを作成。たくさんの方にご賛同いただき、2,000以上の施設に、20,000枚を超えるカードを配布・設置しました。

取り組みの背景にあったのが、NHK名古屋放送局で2020年度に始まった子ども応援プロジェクトです。
子どもをとりまく課題とその解決のために、わたしたちにできることを視聴者の皆さまと一緒に考えていきます。そのなかで2021年11月、私たちはドキュメンタリードラマ「命のバトン~赤ちゃん縁組がつなぐ絆~」を制作・放送しました。
このドラマは、"思いがけない妊娠"をした高校生を主人公に、妊娠をめぐって知っておいてほしい情報をドラマとドキュメンタリーを組み合わせて描いた作品です。

いざドラマの放送を前にして、制作陣やプロジェクトメンバーが口をそろえて言ったこと。
それは、「思いがけない妊娠をした方・今後する方に、一人ではないこと、相談する場があることを知ってほしい」ということ、そして「人知れず悩む方を減らすきっかけとなってほしい」ということ。
いつ何時、このような状況に出くわすか分かりません。そんなときに思い出していただけるよう、ドラマだけでなく形に残るものを作りたい。
という思いから、カードを作ることにしました。大事にしたポイントは、
★中高生が大人になるまでに思い出してほしい→手に取ってもらえるデザインに
★このカードで伝えるべき【相談窓口があること】を載せる
ということです。
そしてできあがったのがこちらです。


表には「全国のにんしんSOS窓口」を周知する内容を、裏には放送日時を周知する内容を記載しました。
こちらのカード、皆さまに届くようにとたくさんの企業・団体の方に相談しました。
愛知県教育委員会の方、大学の先生からは、設置場所や配布方法について助言をいただき、各高校・大学への保健室やお手洗いへの設置が叶いました。
また、大手ドラッグストアさんからは、啓発の視点で意義がある、ということで賛同いただき店舗への設置を可能にしていただきました。他にも、保健所や産婦人科、児童相談所にも協力していただきました。
こうしてたくさんの方にご賛同いただいて、カードの配布・設置に至ったのは、施設数で2,000以上、枚数では20,000枚以上となりました。

こうした取り組みによって、少しでも当事者の方の助けになったり、これから同じ場面に遭遇した際に「あ、あのときカード見た」「相談してみようかな」、と思い出していただけたりすることで、人とのつながりが生まれることを願っています。
このドラマの放送はすでに終了していますが、皆さまからいただく情報はもちろん、この先も私たちが皆さまに伝えられることを、発信し続けていきます。
■ドキュメンタリードラマ「命のバトン~赤ちゃん縁組がつなぐ絆~」
現在はNHKオンデマンドでご視聴いただけます
■ドラマ情報・子ども応援プロジェクトの情報はこちら

小栗 花
2016年入局
知多半島出身・生粋の愛知県民。
食べることへの愛は愛知のグルメで育みました。