ページの本文へ

  1. トップページ
  2. ハロー!ネイバーズ
  3. ワタシの好きな"金沢"

ワタシの好きな"金沢"

ハロー!ネイバーズ

2022年6月10日

  • グアテマラ出身のファジャ・アレハンドロさん(30歳)。
    2020年から大好きな"金沢"を案内するため、地元の旅行会社で働いています。
  • コロナ禍で揺れた旅行業界。その中でもがき、地域とのつながりを探し続けたアレハンドロさんの日々を取材しました。
バスツアーは"交流"

アレハンドロさんは今、半日で金沢の観光地を周遊するバスツアーの添乗員をしています。 これまでのバスツアーは、車窓に観光地が見えると、添乗員がマイクで説明していました。しかしこのバスでは、その役目は、座席に設置されているタブレット。観光地に近づくと、観光地の映像や解説、さらにはクイズなどが流れます。開発にアレハンドロさんも携わり、タブレットに流れる映像を担当しました。でも添乗員は、何もしないという訳ではありません。お客さんの写真を撮ってあげたり、観光地のメインストリートに案内したりします。中でもアレハンドロさんならではの"おもてなし"がスペイン語の「あいさつ」で交流することです。「オラ(こんにちは)」「グラシアス(ありがとう)」などをお客さんに紹介。バスでの旅を盛り上げていました。アレハンドロさんは、日々、新たなお客さんと交流し、たくさんの事を学ぶのが、とても楽しいと話していました。

アレハンドロさんが金沢で働く理由

2017年に金沢にやってきたアレハンドロさん。日本語は、話せない。金沢がどういう町か知らない状態だったといいます。金沢大学大学院で「文化遺産」を研究し、 いくつもの金沢の観光地を訪ねました。そこで感じたのは、「金沢は文化遺産を大事にする町」だということ。そして「食」「建物」「工芸」など文化の宝庫だということでした。 「この町なら文化遺産について学び続ける事ができる」と思ったアレハンドロさんは、 次第に金沢で働きたいと思うようになりました。それから日本語を猛勉強。日本人学生と同じように、就職活動もしました。ただ留学生が日本企業に正社員として採用されるのは至難の業です。アレハンドロさんも50社以上に履歴書を送りました。結果、内定を出してくれたのは、2社。東京で働く事が条件でした。それでも"金沢で働きたい"という気持ちを諦めなかったアレハンドロさん。大学を通して地元の旅行会社がインバウンド事業強化のために、外国人を探しているという話が飛び込んできました。

コロナ禍を乗りこえるために始めたこと

2020年4月。アレハンドロさんの社会人生活は、コロナ禍と共に始まりました。 盛り上がっていた金沢へのインバウンドはストップ。アレハンドロさんも本来の仕事をする機会に恵まれず、失業も頭をよぎりました。心配するアレハンドロさんに、会社が伝えたのは、「アレさんなりにできる事をやってほしい」という言葉でした。「コロナ禍が長引けば、外国人が金沢に興味をなくしてしまう」。そんな社員たちの声を耳にしたアレハンドロさんが始めたのは、金沢の観光情報を英語とスペイン語で発信することでした。ひがし茶屋街や金沢城、兼六園、近江市場など人気の観光地はもちろん。弓道や三味線、流しそうめん、しょうゆの製造、おはらい、書き初め、左義長、出初め式など海外の人が 興味を持ちそうな日本文化も紹介。金沢に来たらできる事を自らが体験して発信することで、金沢旅行に興味を持ってもらおうと考えました。動画制作は未経験でしたが、撮影方法や編集を独学で覚え、2年間で、20本以上の動画を制作しました。

地域コミュニティーとのつながりを求めて

アレハンドロさんは、会社以外にもつながりをつくり、地域コミュニティーに参加していきたいと考えていました。しかしなかなか、接点が見いだせずにいました。そんなアレハンドロさんに転機が訪れたのは1年半前。隣の家の前にバレーボールが置いてあるのを見つけ、「バレーボールするんですか?」とアレハンドロさんが声をかけると、話が盛り上がり、社会人のバレーボールクラブに誘われたのです。週に2回2時間。同年代のメンバーと一緒に汗を流しています。実はアレハンドロさんは、グアテマラの大学で7年間バレーボールに打ち込んでいました。大好きなバレーボールをプレイすることで素の自分を出し、 メンバーとも仲良くなりました。さらに今年2月には、マレーシア出身のシオンさんと結婚。一緒に油絵教室にも通い始めました。スポーツや文化活動を通して、金沢の人たちとのつながりを増やしています。

筆者

NHKエンタープライズ 中部支社 制作部

福岡 悠

名古屋市出身 2児の父

「ワタシの好きな○○」は、名古屋城と名古屋めし

この記事に関連するタグ