- ネパール出身のダルマ・ラマさん(47歳)は、富山県射水市で小松菜農場を経営しています。
- 農業との出会いから地域とのつながり、農業の挑戦を取材しました。
富山県の西部に位置する、射水市。24棟の農業用ハウスが、ダルマさんの農場です。年間を通して、およそ50トンの小松菜を出荷しています。


ネパールで生まれたダルマ・ラマさん。実家は寺で、大学を卒業した後は、まんだらを描く仏画師として働いていました。観光客として来ていた富山県出身の美雪さんと、2004年にネパールで結婚。妻の妊娠をきっかけに日本へ移住しました。
しかし、最初から順調だった訳ではありません。「何しても自分に合わない。料理も合わない、もちろん日本語も分からない。つらいことが多かったかもしれない。」
その後始めたのは、ネパールで描いていた仏画。ダルマさんの絵は評判を呼び、富山や金沢で教室も始めます。そんなとき、運命的な出会いが訪れます。


ダルマさんにアトリエの場所を提供してくれたのが、小松菜農家の荒木龍憲さんでした。やがてダルマさんは、アトリエの真向かいにある荒木さんの農場を手伝うようになりました。後継者のいなかった荒木さんは、働き始めたダルマさんに後継ぎにならないかと声をかけ、ダルマさんは2017年、荒木さんの農場経営を引き継ぎ、正式に代表に就任します。

ダルマさんが代表に就任してから、さまざまな新しいことに挑戦しています。2年前からヨーロッパに小松菜を輸出。さらに、小松菜の加工にも取り組んでいます。
最近では、病院や高齢者施設向けの冷凍野菜を扱う食品会社から依頼を受け、冷凍小松菜を開発しています。
そんなダルマさんを荒木さんは見守っています。「私ではできないこと、彼がネパール人やったからできることやし。私も、ダルマさんを選んで一緒に夢見てるけど。ハラハラドキドキしながら。」

スタジオでは、「農業を始めて従業員の方々が"大家族"みたいで嬉しい」と語った、ダルマさん。地域との交流も積極的に行っています。


ダルマさんは、2年前、ネパールで6人の社員を雇い、農業の現地法人を設立しました。地元の農家200人に"えごま"を栽培してもらい、年間20トンを日本に輸入。えごま油を加工する富山の食品会社に販売しています。「(ネパールと日本)長く続ける交流は経済交流も一つ。私が日本で今学んでいる今やっている農業の技術を向こうに伝えれば向こうの人のために、向こうの仕事雇用のためになるじゃないかなという夢をみています。」



葉っぴーFarm
富山県射水市円池
TEL:0766-75-9747
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NHKエンタープライズ 制作部
ディレクター 岩本亜希子
福井県出身 1児の母
趣味は、産直・スーパーマーケット巡り